Webディレクション費用とは?役割と重要性を解説

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Webディレクション費用とは?役割と重要性を解説

こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)のおっくんです!

Webサイト制作の見積もりを受け取った際、多くのご担当者さまが「ディレクション費」の項目で疑問を持たれることがあるのではないでしょうか。

「制作費全体の10%~30%もする。これって何の費用?」
「何とか削れないか?」
「上司に『何の費用か説明しろ』と言われたが、うまく説明できない…」

こうしたお悩みは、発注をご検討される方なら当然の疑問です。

Web制作の見積もり全体の内訳については、別記事「Web制作の見積もり高すぎない?相場や見積書項目について解説」でもご紹介していますが、今回はその中でも特にご質問の多い「ディレクション費」に焦点を当てています。

結論から言えば、ディレクション費は「コスト」ではなく「投資」です。

  • ディレクション費用の正体と具体的な業務内訳
  • ディレクション費用の「相場」と算出方法
  • ディレクターがいるメリットと、削った場合に起こるリスク

本記事では、あえて「ディレクション費を削った末路」からお話しし、なぜその費用が重要なのか、適正な料金相場とともに、Web制作のプロとして解説いたします。

ディレクション費を削るとどうなる?現場で起きる3つの悲劇

ディレクター不在で起こるデメリット

ディレクション費を「よくわからないから削る!」と判断する前に、もしWebディレクターがいない現場で何が起こるかを見てみましょう。

それは「船長がいない船」「指揮者がいないオーケストラ」と同じ状態です。

デメリット1:「伝言ゲーム」の失敗と社内での「板挟み」地獄

ディレクターがいない場合、発注担当のご自身が複数の専門家(デザイナー、エンジニア、ライターなど)と直接やり取りすることになります。

  • 「Aさん(デザイナー)には伝えたが、Bさん(エンジニア)には伝わっていない」
  • 「デザインとシステムの仕様が食い違い、手戻りが発生」
  • 「全員からバラバラに質問が来て、あなたが調整に奔走し、本来の業務が止まる」

このように、あなたが制作スタッフ間の「板挟み」になり、膨大な工数とストレスを抱えることになります。

デメリット2:「誰がボールを持っているかわからない」スケジュールの崩壊

全体の進捗を管理する人がいないため、タスクの遅れに誰も気づけません。

  • 「デザイナーの作業が遅れていることをエンジニアが知らず、作業が止まる」
  • 「問題が発生しても、誰が判断するのか決まらず時間が過ぎる」
  • 「結果、気づいたときには手遅れで、公開日に間に合わない」

スケジュール遅延は、企業のビジネスチャンスの損失に直結します。

デメリット3:リリース直前にバグ多発!「品質」の欠如による信頼失墜

全体の品質をチェックする「監督」がいないため、品質がバラバラになります。

  • 「ページによってデザインのトーン&マナーが微妙に違う」
  • 「スマートフォンで見たらレイアウトが崩れている」
  • 「致命的な誤字脱字やリンク切れに気づかず公開してしまう」

低品質なWebサイトは、会社の信頼を損なうことにつながります。

そもそもWebディレクション費用とは?

上記のデメリット(悲劇)を未然に防ぎ、プロジェクトを成功に導くために存在するのが「Webディレクター」であり、その稼働費が「ディレクション費」です。

ディレクション費とは、簡単に言うとWebディレクターがおこなう「プロジェクトの進行管理」と「品質管理」に対する費用です。
※「進行管理費」という項目で見積書に記載されることもあります。

ディレクション費の具体的な業務内訳

Webディレクターは、プロジェクトの「旗振り役」として、以下のような多岐にわたる業務を担当します。これらがディレクション費の主な内訳となります。

折衝・窓口業務 発注担当者とのやり取りや、社内・社外の専門スタッフとの調整をおこないます。
会議体の運営 定例ミーティングなど、社内外のミーティングを設定し、進行(ファシリテーション)します。
リソース管理(社内外) デザイナーやエンジニアなど、プロジェクトに必要なスタッフ(リソース)を確保し、全工程のタスクを管理します。
スケジュール作成・調整 プロジェクト全体の詳細なスケジュールを作成し、進捗を管理しながら、必要に応じて柔軟に調整します。
関連資料の作成・管理 サイトマップ(サイトの全体図)やディレクトリマップ(ページ一覧)など、制作に必要となる資料を作成・管理します。
クオリティ管理 デザイン、コーディング、システムの品質が、要件定義や設計図の仕様を満たしているか、プロの視点で厳しくチェックします。

ディレクターが起点となる、Webサイト制作のプロジェクトメンバー

Webサイト制作は通常、各分野のスペシャリストが集まりひとつのプロジェクトを進行します。

よくあるチーム編成は下記のとおりです。

  • Webディレクター(プロジェクトの旗振り役・監督)
  • デザイナー
  • マークアップエンジニア
  • システムエンジニア
  • (プロジェクトに応じて)フォトグラファー、ライター、アートディレクター、テクニカルディレクターなど

この中で、プロジェクト全体の舵取りをおこなうWebディレクターが、上記のような多岐にわたる業務を遂行するための対価が「ディレクション費」になるわけです。

Webディレクション費用の相場と算出方法

では、実際のところ、ディレクション費はどれくらいが妥当なのでしょうか。相場はプロジェクトの規模や難度、納期によって変動しますが、算出方法はおおまかに2つに分かれます。

1. 制作費に応じて算出する方法

ディレクション業務を除いた制作費用(デザイン、コーディング、システム開発費など)の10%~30%に相当する金額をディレクション費とする方法です。

例えば、デザイン、コーディング、システム開発であわせて300万円かかる場合、10%~30%なので、30万円~90万円がディレクション費となります。
※ディレクション費は制作費用の一部ではなく、別途計上されます

プロジェクト規模が大きくなればなるほど、関係者の調整や管理業務が複雑になり、ディレクターの稼働も多くなるため、それに伴い費用も上がります。

2. ディレクション業務にかかる日数に応じて算出する方法

もうひとつは、ディレクターの1日の単価を稼働する日数で掛けて設定する方法です。

制作費用などの算出でも用いられる計算方法ですが、1人が1日(8時間)稼働した場合の単位を「人日(にんにち)」と言います。

人日とは、作業量の大きさを表す単位の一つで、何人で何日間働けばこなせるかを表したもの。「人数×日数」の意味で、投入する人員の数と、一人あたりの作業への従事日数の積を意味する。1人で1日かかる仕事の量が「1人日」である。

例えば、ディレクターが1日稼働したときの単価が5万円の場合、5日稼働すると5人日になるので、ディレクション費は25万円になります。

注意)ディレクション費で括れないものもある

ひと括りにディレクション費と言っても、必ずしも制作業務以外がすべてディレクション費になるとは限りません。よくあるのが要件定義、企画・提案、画面設計(ワイヤーフレーム作成)の費用などです。

これらはディレクターがおこなうことも多い業務ですが、プロジェクトの根幹をなす重要な作業であるため、ディレクション費(進行管理費)とは別に「企画構成費」や「サイト設計費」として一式計上されたり、人日で計算されたりすることがあります。制作会社によって内訳は異なるため、見積書を見て確認してみてください。

【関連記事】RFP(提案依頼書)と要件定義書の違いは何? 記載内容も詳しく解説

ディレクション費で何をしてくれる?発注者が得られる3つのメリット

「ディレクション業務とは」と検索される方も多いように、多くの方がディレクターの具体的な業務を知りたがっています。

ここでは、ディレクターの業務を「発注担当者であるあなたが受け取れる3つの価値(便益)」という視点で解説します。

メリット1:ビジネス課題を「成功の設計図」に翻訳してくれる

発注担当者の「ふわっとした要望」や「ビジネス上の課題」をヒアリングし、それをデザイナーやエンジニアが作業できる「専門的な仕様書(要件定義)」に翻訳するのが、ディレクターの最も重要な仕事です。

  • 「なんとなくカッコいいサイトが欲しい」
  • 「競合他社がこうしているから、うちもやりたい」

こうした要望の背景にある「本当の目的(なぜリニューアルするのか?ゴールはどこか?)」を明確にし、「それなら売上を上げるため、ここにはこのボタンを置くべきです」と、ビジネスの成果につながる「設計図(サイトマップ、画面設計書など)」を提案、作成をします。

発注担当者へのメリット

「言った・言わない」のトラブルを防ぎ、単に見た目が良いだけではない、ビジネスの成果を出すためのWebサイトの土台が作れます

メリット2:発注担当者の「時間と手間」を削減する窓口になる

Web制作では、確認事項や判断すべきことが山のように発生します。 もしディレクターがいなければ、担当者さまはデザイナー、ライター、エンジニアといった複数のスタッフと個別に連絡を取り合わなければなりません。

ディレクターは、発注担当者にとって「唯一の窓口」です。要望や質問はすべて担当ディレクターに伝えるだけで、ディレクターがそれらを適切に翻訳し、各スタッフへ指示・管理します。

また、プロジェクト中は予期せぬトラブル(仕様変更、要件の追加など)が発生しやすいものです。その際、ディレクターが状況を即座に判断し、スケジュールの再調整や社内外の折衝をおこなうことで、プロジェクトが止まらないようコントロールします。

発注担当者へのメリット

「何度も同じ説明をする」「専門家間の調整に奔走する」といった膨大な手間とストレスから解放され、あなたは本来の業務に集中できます。

メリット3:企業の「信頼」を守る品質の番人になる

Webサイトは会社の顔です。誤字脱字だらけのサイトや、スマートフォンで崩れて表示されるサイトは、企業の信頼を損ないます。

  • 仕様や機能に問題はないか
  • 誤字脱字、リンク切れはないか
  • スマートフォンや各種ブラウザで表示崩れは起きていないか

プロの視点で厳しくチェックをおこない、リンク切れや表示崩れ、仕様との相違がないかを徹底的に検証します。この検証と品質管理のプロセスがあることで、安心して世の中に公開できるWebサイトが完成します。

発注担当者へのメリット

「企業の信頼を損なう致命的なミス」を未然に防ぎ、公開後、安心してWebサイトを運用することができます。

まとめ:ディレクション費は「成功への投資」

Web制作におけるディレクション費について、その内訳や必要性を解説しました。

  • ディレクション費は、納期遅延や品質低下のリスクを回避するための費用
  • 相場は制作費総額の10~30%が一般的
  • 担当者の工数を削減し、成果の出るWebサイトをつくるための「投資」である

ディレクション費は、単なる「手数料」や「安心料」ではありません。プロジェクトを円滑に進め、各施策を通じてお客さまのビジネスに貢献するWebサイトをつくるための「必要経費」です。

ジーピーオンラインでは、お客さまのビジネス課題に寄り添い、プロジェクトを成功まで伴走サポートする経験豊富なWebディレクターが多数在籍しています。

「見積もりの内容を詳しく知りたい」「安心して任せられる制作会社を探している」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。無料相談も実施中です。

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この記事の著者
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2013年にジーピーオンラインへ入社。プロデュースグループとマーケティンググループのマネジメントを担当。お客さんのためになる真正面で正直な意見を伝えられるように心がけ、最適なWebサイトをご提案します。

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