こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)の久永です。
自社の採用に長く携わっていました。その知見をふまえて、ひとつ結論づけたことがあります。
「採用成果を上げるカギは効果的な採用サイトにある」
では、どんな採用サイトにしたらいいのか?この記事では、ジーピーオンラインの失敗成功体験もふまえて解説していきます。
採用コンテンツ企画はおまかせください
もくじ
求人広告出しても採用ゼロ!?
増える人手不足関連の倒産。
東京商工リサーチの調査によると2024年の「人手不足」倒産は過去最多の289件となっています。上記図のグラフ内訳を見ていただくと分かるように、人手不足倒産の中でも「求人難」の割合が高まっていることが伺えます。
求人広告にお金を出しても以前のように採用できない、と実感されている人事採用担当者は多いのではないでしょうか。わたしもそのひとりです。
当社は、Web制作を生業にしているので、「採用サイトの必要性」というものは、十分理解していたものの、クライアントワークで手一杯で自社の採用サイトをつくるなんて、夢のまた夢、そんな状態でした。
そんな矢先、求人広告を出しても見込んでいた採用がゼロ、高額な報酬を支払って紹介された人を雇ったのに、ミスマッチが理由で辞められてしまったという採用の失敗が続きました。能動的かつ計画的に採用活動をちゃんとしていかないとマズイ、というのを身にしみて実感したことをきっかけに、すぐにダイレクトリクルーティングサービスを利用しはじめ、自社の採用サイトをつくりました。
そして、ダイレクトリクルーティングでのスカウト活動や求人広告への掲載、イベントのスポンサードなどを通じてPRしながら、自社の採用サイトの情報へ誘導して当社を知ってもらえる機会を増やしました。
結果、職種によっては採用サイトからの応募だけで充足したり、求人広告を出してもマッチする人材からの応募が増えたりと以前より効果的な採用活動ができるようになりました。
【関連記事】ダイレクトリクルーティングとは?メリット・デメリットから採用成功のポイントまでわかりやすく解説
採用サイトのコンテンツ設計が重要な理由
採用サイトをつくれば採用難を改善できるかというと、そんな単純な話ではありません。デザインばかり目がいきがちですが、効果的な採用サイトを作成するには採用戦略からターゲットに合ったコンテンツ設計が重要です。
採用戦略とコンテンツ設計
採用サイトの制作を考えるにあたり必要になるのが採用戦略です。
- どんな人材を何人採用するか
- いつまでに採用するか
- どういう目的で採用するか
- どんな方法で採用するか
- どのくらいの予算を想定するか
「経営戦略」>「人事戦略」>「採用戦略」と落とし込むのがスムーズですが、経営陣が考える今後の経営戦略や人事計画に則って、どんな人材が必要かを把握し採用活動の計画や戦略をたてることになります。
ターゲットとなる年齢層を意識する
まず、どんな人材を採用するかということを考えるときに、ターゲットとなる年齢層について考えます。
年代による考え方の違いなどは「ゆとり世代」や「さとり世代」という言葉がつくられるほど、世間でも注目されていますが、ターゲットとなる人材の年齢層も意識していく時代になりました。わたしの様な昭和の人間の感覚だけで戦略をたててしまうと、求職者世代とのミスマッチが起こりかねません。
・就職観は「楽しく働きたい」が最多。増加幅がもっとも大きかったのは「個人の生活と仕事を両立させたい 」
・大手企業志向が53.7%で前年比4.8pt増。3年ぶりに5割を超える。
・企業選択のポイントは「安定している会社」が49.9%で6年連続最多。「給料が良い会社」も3年連続で増加。
(1)社会人経験 3 年未満の「第二新卒」の転職理由は「もっとやりがい・達成感のある仕事がしたい」が最多
(2)転職で実現したいことは「ヤングキャリア」「第二新卒」いずれも「給与・年収が上がること」が最多
毎年、いろいろな求職者の意識調査結果が出ていますので、採用戦略時にはそういったデータを是非参考にしてみてください。
また、ターゲットが決まれば採用ペルソナまで一緒に作成してしまうと便利です。人事・採用関係者が集まってターゲットや採用ペルソナのすり合わせができる機会は有効に使っていきましょう。
求職者が求めている情報とは
採用戦略がかたちになると、つぎにコンテンツ設計の元になる「どんな情報を発信すればいいか」について考えることになるかと思います。 ここでも、求職者の意識調査結果を参考に、求職者が求めている情報を把握して、どんな情報発信が有益かを考えることが大切です。
入社に向けた不安の内容としては、文系では「仕事で成果を出せるか」が最多で38%、次いで「職場メンバーに馴染めるか」が35%といずれも4割近くに上っている。理系では「職場メンバーに馴染めるか」の方が1位で47%、次いで「仕事で成果を出せるか」が45%といずれも半数近くに上り、文系より多く挙がっている。さらに理系では「生活環境の変化への対応」が文系より12ポイントも高く33%、「社会人としてのマナーやエチケットの習得」が文系の倍で25%に上り、社会人生活や社会人としてのふるまいに対する不安を持つ理系学生が比較的多い傾向となっている。
例えば、前出の意識調査からだと、「職場メンバーに馴染めるか」への不安払拭になるような「社員インタビュー」や「対談コンテンツ」など実際に働いている人の人柄まで伝わるようなコンテンツの検討が求められます。
時代が変わっても絶対必要な4つの基本コンテンツ
これまでの「最新の求職者の意識調査」を参考にする大切さはもちろんですが、時代が変わっても求職者にとって必要となる基本のコンテンツがあります。
会社について
一つ目は代表メッセージ含め、企業データ、事業紹介など、どんな会社かが伝わるコンテンツです。
当社の採用サイトの場合、「社長メッセージ」「価値観」「事業紹介」「数字でわかるコンテンツ」と細分化して、詳細に説明しています。とくに「価値観」のページでは、策定したミッション、行動指針のほか、社風やSDGsへの貢献を紹介し、複数の視点から価値観のスクリーニングができるように工夫しています。
人について
二つ目は社員インタビューや座談会など、どんな人が働いているかが伝わるコンテンツです。
当社の採用サイトの場合、「人を知る」としてスタッフ紹介を1人1ページずつ作成しています。「新卒入社」や「中途入社」といった入社の仕方から、職種別、オフィス別と絞り込みができる機能をつけており、求職者にとって自分に近しい人や一緒に働くであろう人を探せるように工夫しました。
採用サイトのアクセス解析では、募集要項を除くと、スタッフインタビューが一番多く見られているコンテンツになっています。
環境や制度について
三つ目は福利厚生をメインとする社内制度やオフィス環境が分かるコンテンツです。
当社の採用サイトの場合、「オフィスツアー」「福利厚生・社内制度」「人材育成・キャリアパス」「評価制度」のコンテンツに分けて掲載しています。「福利厚生・社内制度」はよく見られるコンテンツのひとつで、社内では当たり前のことで、あえて掲載するような情報ではないと思われるようなことも、しっかり情報発信することで求職者に有益な情報になり得ます。
また、「評価制度」では評価シートのサンプルやグレード・コースまでも開示し、入社前とのギャップができるだけ起こらないように工夫しています。直近のアクセス解析では、評価制度コンテンツが、キャリアパスコンテンツの2倍アクセスがあり、これは最近ならではの傾向です。
募集要項
四つ目は給与ももちろん含まれますが、職種や仕事内容などを含む募集要項コンテンツです。一番情熱を注いで情報を発信していただきたいくらい、採用効果に影響します。
当社の採用サイトの場合「募集要項」をナビゲーションで一番目立たせており、各職種とオフィスごとにページを作成しました。新卒採用向けと中途採用向け、キャリア採用向けとキャリア種別で募集要項内容もそれぞれ用意して、求職者にとって理解しやすいように配慮しています。
求職者が一番注目している「給与・福利厚生」は、この応募直前にあたる募集要項ページでもしっかり漏れなく記載することをオススメします。
採用競合他社と差別化する2つのポイント
業界オンリーワンやナンバーワンのような強みがないとなかなか差別化というのは難しく、わたしも立場上「御社の強みはなんですか?」と聞かれることが多いですが、他社とも似たり寄ったりな返答になることが多いです。
そのような中でも明確に他社と違う点をあげるとしたら、そこで働く「ひと」です。
社長や社員といった「ひと」を出す
特に会社の代表である社長のコンテンツや、社員たちにフォーカスしたコンテンツなどは、その会社ならではの完全オリジナルな差別化ポイントとなります。
他社と差別化しにくいとお悩みの人事採用担当者の方には、「ひと」を通じて社風を理解してもらえるコンテンツをつくることをおすすめしたいです。
【関連記事】採用サイト社員インタビューの極意!5つのポイントと参考事例を紹介
リアルな情報を具体的に出す
そしてもうひとつが、出来るだけリアルな現場の情報をなるべく具体的に伝えること。
格好つけずにありのままを出すことで、時には諸刃の剣だったりしますが、入社後のミスマッチ防止に繋がるだけでなく、他社との差別化にも繋がることがあります。
とくにリアルさを出すには、実際の社員や社内の様子を撮影することが効果的です。
【関連記事】参考になる採用サイトの写真5選!写真の応募数への影響を解説
実は当社の採用サイトもこの2つのポイントを取り入れました。
「ひと」を前面に押し出したことで、社風や雰囲気が気になって応募したという求職者の声を多数もらうことができました。そして、平均残業時間を掲載した点は面接でよく聞かれていた「どのくらい残業があるか?」という質問が減っただけでなく、応募の時点で情報があるため、就職活動をしている人には有益な情報になったようです。
いかに共感ポイントをちりばめられるかは、上記2点にかかっています。
【関連記事】内定到達率277%!共感型採用とは?進め方と手順まとめ
新卒採用向け効果的な採用コンテンツ
これまでの流れで、リアルな情報発信が採用コンテンツに良いんだなということが、なんとなく伝わったかと思われますが、最後に表現方法について事例を出しながら、解説したいと思います。
求職者にとって、自社のことをより分かりやすく情報を受け取ってもらえるには、どういう表現が自社に合っているだろうか?という点で少しでもヒントになれば幸いです。
数字で見るコンテンツ
数字を用いて会社のことを知ってもらうコンテンツ。特に「平均残業時間」「有給取得率」など求職者が知りたいリアルな数字を出すのが効果的です。
インフォグラフィックス(データや情報を視覚的に表現したもの)の手法などを用いることでより求職者に伝わりやすくなります。
【関連記事】求職者に数字で見るコンテンツは効果的!採用サイトにおける効果と作り方を紹介
座談会コンテンツ
会社のことをフランクに伝える手段としても効果的な社員同士の対談コンテンツ。複数人で座談会形式にしたり、動画を使った座談会コンテンツなども求職者に伝わりやすく効果的です。
【関連記事】採用サイトに座談会が必要な理由!社員を魅力的に伝える作成方法やポイントを実例交えて紹介
福利厚生コンテンツ
求職者が求める情報ランキングがあると、必ず上位に位置している福利厚生コンテンツ。
福利厚生についてだけでなく、社内制度なども織り交ぜて、自社の取り組みを伝えることができます。参考ページのように制度ごとにグルーピングするのは求職者により伝わりやすく効果的です。
【関連記事】採用サイトに福利厚生コンテンツは必要?目的と効果的なアピール方法
職種紹介コンテンツ
職種が多い企業ほど効果的な、職種別に仕事内容を具体的に伝えるコンテンツ。
会社によって同じ職種でも仕事内容の範囲が異なるケースは多いです。求職者に具体的な仕事内容や求められるスキルを伝える上で重要な役割を担っています。募集要項ページでは表現しきれない職種の情報をしっかり伝えることができる効果的なコンテンツです。
【関連記事】なぜ新卒採用サイトに職種紹介ページが必要なのか?効果的な作り方4つのコツも解説!
キャリアパスコンテンツ
会社でのキャリア形成や、どういうステップで成長していけるのかなどを知ってもらうために、キャリアパスや人財育成、研修制度などを発信するコンテンツ。
「裁量の大きさ」や「人事評価制度」などは30代より20代の転職者または新卒求職者が気にしている情報のため、若年層に効果的なコンテンツです。
よくある質問コンテンツ
求職者からよくもらう質問などを集めてQ&A形式で会社のことを知ってもらうコンテンツ。
採用サイトに載せきれない情報などを掲載できる場所にもなります。実際によくある質問をベースに、会社の情報として知ってもらいたいこともプラスアルファで掲載すると、求職者にとっても分かりやすく、有益なコンテンツになります。
1日のスケジュールコンテンツ
職種ごとや社歴ごとなどに分かれた、1日の業務の流れを知ってもらうコンテンツ。社員インタビューページや職種紹介ページの中に1日のスケジュールを掲載することも増えました。
新卒入社の学生や業界未経験の求職者などに「働くイメージ」を持ってもらう手法として効果的です。
採用コンテンツの成功事例3選
定量的にも効果が出ている成功事例から、特に効果的な貢献をしていると思われるコンテンツを3つあげさせていただきます。
ジーピーオンラインの「募集要項」コンテンツ
前述したとおり、募集要項が一番力を入れるべきコンテンツということで、ジーピーオンラインの募集要項コンテンツはCMSのWOWを用いてかなり力を入れて構築しました。「新卒採用」「中途採用」「キャリア採用」という採用種別ごとに職種と勤務地ごとに募集要項ページを作成することで、Googleお仕事検索やインディードにも対応しやすく設計しています。
求人情報の構造化データマークアップをCMSで登録ができるようにし、Google求人検索機能に対応するしないも自在に設定できるようにしています。募集要項ページから飛ぶ応募フォームはATSと連携させており、求職者にとってストレスの少ない導線設計を実現しました。
おかげさまで新卒採用では、新卒求人ナビ媒体を活用せずとも自社の採用サイトとWantedly(ウォンテッドリー)のみで母集団形成ができるようになりました。
ダイキンエアテクノさんの「職種紹介」コンテンツ
求職者の応募数増加と歩留まりを解消するために、採用サイトをリニューアルされています。仕事内容がイメージしにくい点は「仕事を知る」コンテンツで職種紹介と社員インタビューを、うまく組み合わせていらっしゃる点が成功ポイントのように感じました。
実際に学生さんから、「採用サイトを見て仕事内容をイメージできました」というお声があったりと、効果的なコンテンツになっていることが伺えます。
【関連記事】お客さまインタビュー|採用サイト|ダイキンエアテクノ株式会社さま
コスモエネルギーソリューションズさんの「数字で見る」コンテンツ
採用サイトのリニューアルからPV数が約7.5倍、ユーザー数も4倍に増加!就活生からは「コスモエネルギーソリューションズという会社が理解できた」「丁寧な会社だということがわかった」などの声が上がっているようです。この声に効果的に寄与しているだろうと思われるコンテンツが「数字で見る」コンテンツでしょう。
求職者が知りたい項目が網羅されており、なおかつその数値が強みをダイレクトに表現している点が成功ポイントではないでしょうか。平均勤続年数19.4年と入社3年以内の離職率0%が、かなりインパクトのある数値で、良い会社なんだろうな~というのが端的に伝わってきます。
【関連記事】お客さまインタビュー|採用サイト|コスモエネルギーソリューションズ株式会社さま
採用コンテンツ制作で押さえるポイントまとめ
これまでの内容を総括すると押さえるポイントは次の5点にまとめられます。
- 採用戦略を反映した採用サイトの作成をする
- 求職者が求めている情報は漏れなく掲載する
- リアルを伝える
- 差別化できるポイントはしっかり訴求する
- 自社に合った表現方法を選択する
身も蓋もない話になりますが、会社のリアルが伝わる良い採用サイトがつくれたとしても、会社自体になんの魅力もない会社だと採用に繋がりません。 面接官となる社員に覇気がない、会社のエントランスがすごく汚い、長時間労働や厳しいノルマで疲弊する職場環境。そういう会社はまずは会社自体の改善が必要です。
しかし、働きやすい会社なのに、魅力的な会社なのに、「マッチする人材がうまく採用できない」とお悩みの方には効果的な採用サイトと併用した採用マーケティングをおすすめします。
効果的な採用サイトにリニューアル
ジーピーオンラインの採用サイト制作
採用ブランディングと採用マーケティングの視点から制作をおこなう、それがジーピーオンラインの採用サイト制作です。
コンテンツ企画や社員インタビューなどの取材、ライティング、撮影はもちろん、ブランドコンセプト策定やAI チャットボットの導入、SNS運用代行、映像制作など幅広く承ります。採用サイトの重要な要素となる写真は、撮影のディレクションをアートディレクターが担当することも可能です。
- Peach Aviation株式会社さま
- コスモエネルギーソリューションズ株式会社さま
- 株式会社ナリス化粧品さま
- ダイキンエアテクノ株式会社さま
- テンワス株式会社さま
- 株式会社鴻池組さま
- スナダ建設株式会社さま
など、これまで当社では多くの企業さまの採用サイトを制作してきました。
また、当社においても、オウンドメディアを活用した採用活動にシフトしました。採用力の強化を目的として「驚きでも感動でもなく“ありがとう”を。」をスローガンにリクルートサイトのリニューアルをおこなった結果、書類通過率約3.9倍を実現し、当社の求める人物像とマッチした応募者の割合が上がっています。
人材獲得競争が激化している現代、変化する求職者ニーズを正確に捉え、オウンドメディアでの最適な情報発信と求職者の共感醸成から求職者の母集団形成とマッチング精度の向上を支援します。
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WRITER久永愛子 Webマーケーター
2000年在学中から独学でWebサイト制作を経験したのち、2007年にジーピーオンライン入社。ディレクター、総務、広報、人事・採用などさまざまなポジションでの経験を活かし、Webサイト運用やWebマーケティングに関する情報を分かりやすく発信していきます。