こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)の久永です。
ブランドサイト(ブランディングサイト)の制作は、企業にとって主力商品やサービスの価値を深く理解してもらい、購入や問い合わせにつなげるための重要なマーケティング施策のひとつです。
しかし、実際のところはブランドサイトと聞いても、具体的にどんなサイトを指すのか?コーポレートサイトとは何が違うのか?など、Web担当者になったばかりだとピンと来ない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
この記事では、初心者向けにブランドサイトとはどういうサイトなのか?という点からコーポレートサイトとの違いを解説しつつ、参考事例としてブランドサイトを紹介していきます。
ブランド価値が正しく伝わるサイトへ
もくじ
ブランドサイトとは
ブランドサイトとは企業などが提供する商品やサービス、ブランドの価値を認知してもらうために作られるWebサイトのことを指します。訪れたユーザーにブランドの持つ世界観を新たに体験してもらうことが、大きな狙いとなり、最近では主力商品一つひとつにブランドサイトを開設することがスタンダードになっています。
以下のような商品・サービスはブランドサイトが効果を発揮しやすいです。
- 単価の高い商品・サービス
- 検討期間が長い商品・サービス
- 技術的な専門性や独自性が高い商品・サービス
- 競合他社との差別化が重要な商品・サービス
- ブランドイメージが購買に影響する商品・サービス
ブランドが持つ世界観やイメージ、提供できる価値や魅力をアピールし、他社との競争において優位性を示していくことは、現代の企業戦略において不可欠な要素となっています。
ブランドサイトの目的
ブランドサイトには、以下の目的があります。
- ブランド認知と理解の向上
- ブランドの価値を示す
- ブランドの信頼性を示す
- ブランドの優位性を示す
- ブランドの購入を促す
- ブランド想起率の向上
ブランディングの際は、まず認知してもらうことが重要なため、テレビCMや街頭広告のキャンペーンをはじめメディアへの掲載などさまざまな認知施策をおこないます。その際に誘導されたユーザーがブランドのより詳しい情報を得るために訪れる場所としてブランドサイトが位置づけられます。
そのブランドサイトの最終目的として挙げられるのは、ブランドにポジティブな印象を持ってもらい、購入・利用へつなげることです。ブランドの愛着や信頼を獲得することで、ファンを増やすことにもつながります。
ブランドサイトの役割
ブランドサイトの役割は、主に以下のことが挙げられます。
- ブランドイメージの総合的な向上
- ECサイトなどの販売チャネルへの架け橋
- 商品購入やサービス利用などの成果達成率向上
特にBtoCビジネスの企業にとってはブランドサイトの成功は事業戦略にも重要な役割として位置づけられているのではないでしょうか。
コンセプトを立ててしっかりと構築することで、商品やサービス、企業に対してプラスのイメージを持ってもらうことができます。それはそのブランドの印象につながるだけでなく、別の商品やサービス、ひいてはグループ企業やその企業が提供するブランドのイメージアップにも貢献することになります。
ブランドサイトを成功させるためには、何よりもブランドへの共感と理解が必要不可欠な要素で、それをしっかり伝えるサイトづくりが重要です。
ブランドサイトとコーポレートサイトの違い
ブランドサイトとコーポレートサイトには、構築する目的に大きな違いがあります。
これまでの話にも出てきたように、ブランドサイトはブランドにポジティブな印象を持ってもらい、購入・利用へつなげることが目的として作られているサイトです。そして同じ企業でもブランドごとにサイトを作ったり、商品ごとに作ったりとブランド戦略に合わせてブランドサイトを用意します。基本的にブランドごとに設定しているペルソナが違いますので、ターゲットに合わせてブランドサイトを分けた方が効果的だからです。
一方、コーポレートサイトは、企業の自己紹介ともいえるサイトにあたります。どのような企業であるか知ってもらうことを目的としているので、広範囲にわたり漏れなく情報を発信する必要があります。
そのためサイトで取り扱う内容は、会社案内だけにとどまらず主力商品・サービスの紹介、IR情報、CSR情報、採用情報など多岐にわたります。ブランドサイトの構築がまだの場合はコーポレートサイトの中でブランドサイトの役割をもたせるページを用意することもありますし、ブランドサイトがある場合はブランドサイトへの誘導も重要な役割です。
ブランドサイト制作を成功させる4つのポイント
ブランドサイトは、ただ作るだけでは期待した効果を得ることはできません。制作を成功に導き、ビジネスの成果につなげるためには、戦略的な視点をもって計画的に進めることが不可欠です。
ここでは、当社が多くの企業さまのブランドサイトをご支援する中で特に重要だと考える4つのポイントを解説します。
ポイント1:ターゲットと目的を明確にする
まず重要なのは、「誰に、何を伝えて、どうなってほしいのか」を徹底的に掘り下げることです。これが曖昧なままでは、どんなに美しいデザインのサイトを作っても、誰の心にも響かない自己満足なものになってしまいます。
ターゲットとなる顧客像(ペルソナ)を具体的に設定し、そのユーザーが抱える課題やニーズを深く理解します。その上で、ブランドサイトを通じて達成したい一番の目的(KGI)を明確にし、その達成度を測るための具体的な指標(KPI)を設定します。「ブランドの純粋想起率を〇%向上させる」「製品への理解を深め、指名検索数を〇件増やす」など、具体的な数値目標も一緒に設定することで、プロジェクトチーム内で共通認識を持ち、一貫した戦略のもとでプロジェクトを推進できます。
ポイント2:ブランドの世界観を言語化・視覚化する
次に、自社ブランドが持つ独自の価値や世界観、いわゆる「ブランドアイデンティティ」を明確に定義します。これは、デザインやキャッチコピーといった表面的な部分だけでなく、ブランドの存在意義や社会に提供する価値といった根幹から考えていく必要があります。
「お客さまにどのような感情を抱いてほしいか」「社会に対してどのような価値を提供したいか」といった問いを通じて、ブランドの核となるコンセプトやストーリーを言葉に落とし込んでいきます。
そして、ブランドがこれまで紡いできた物語(ブランドストーリー)は、ブランドの価値観を伝え、顧客との共感を促します。このブランドストーリーをコンテンツに組み込み世界観を視覚化していきます。選ばれるブランドはブランドストーリーをうまくコンテンツ戦略に採り入れられているのです。
ポイント3:ユーザー体験(UX)の最適化
訪問者が求める情報に迷わずたどり着け、自然に次のアクションを起こしたくなる設計が重要です。
UX設計で重視すべき点は以下の4つ。ブランドサイトの特性上、特にモバイルフレンドリーは強く意識する必要があります。
- 情報の階層構造と導線設計
- ページ表示速度の最適化
- モバイル対応・レスポンシブデザイン
- 問い合わせや資料請求への誘導配置
ユーザーテストや競合サイト分析を通じて、使いやすさを継続的に改善していく姿勢も大切です。
ポイント4:公開後の運用を見据えた計画を立てる
ブランドサイトは「作って終わり」ではありません。むしろ、公開してからが本当のスタートです。ユーザーとの継続的なコミュニケーションを通じてブランドへの愛着を育んでいく、長期的な視点での「運用」が欠かせません。
具体的には、以下のような運用計画をあらかじめ立てておきましょう。
コンテンツ更新計画 | 誰が、いつ、どのような情報を発信するのか。 |
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集客戦略 | SEOやWeb広告、SNSなどを活用し、どのようにサイトへユーザーを呼び込むか。 |
効果測定と改善 | アクセス解析などを用いてKPIの達成度を測り、どのように改善していくか。 |
※公開後の運用計画は構築前に立てて年間予算に組み込みます
長期的な視点でWebマーケティングを展開し、ユーザーとのエンゲージメントを高めていくことで、ブランドサイトは持続的に成果を生み出す資産へと成長します。
ブランドサイトの参考事例
ブランドサイトの参考事例として、具体的なWebサイトを一覧へのリンクと共に紹介します。
幅広く知られている定番商品、人気商品、企業が主力商品として掲げている商品は、ブランドサイトが作られることが珍しくありません。
自社ブランドやサービスについてブランドサイトを制作する際には、まず競合他社がどういった切り口でどう展開しているのかといった調査が必要になるかと思われますので、ぜひピックアップしたサイトやリンクを参考にしていただけると幸いです。
セブンティーンアイス(江崎グリコ株式会社)
食品会社を代表して江崎グリコ株式会社様のブランドサイトからセブンティーンアイスを事例にあげます。こちら当社が制作したブランドサイトです。「セブンティーンアイス」ブランドの価値や世界観をブランドサイトを通じて体験してもらえるような仕掛けを多く施しています。
例えば「17アイスとは」ページではリアルな挙動の自動販売機を設置していますが、ボタンを押した際に出てくる商品がランダムになっているという遊び心を搭載していたり、トップページのメインビジュアルは「朝」「夕」「夜」サイトへ訪れる時間帯によって、その装いが変化する仕掛けがされていたりと、誰にも気づいてもらえないんじゃないかというような仕掛けもあるため、気づいた人にはちょっとしたアハ体験になります。
詳しくは制作実績ページをご覧ください。
→制作実績|江崎グリコ株式会社セブンティーンアイス ブランドサイト
食品業界は特にブランドサイトに力を入れられている会社様が多いですが、その中から一部の企業様をピックアップして紹介します。
- 江崎グリコ株式会社さま商品ページ
(ジャンルをクリックして商品ページに行くとブランドサイトへの導線があります) - 株式会社明治さまブランドサイト一覧ページ
- 味の素株式会社さまブランドサイト一覧ページ
- 日清食品グループさまブランド一覧ページ
(ブランドをクリックしてブランド詳細ページに行くとブランドサイトへの導線があります) - アサヒグループ食品株式会社さまブランド一覧ページ
ボラギノール(天藤製薬株式会社)
次はBtoCの製薬会社を代表して天藤製薬株式会社様のブランドサイトからボラギノールサイトを事例にあげます。
こちらは当社制作ではありませんが、ボラギノールのブランドサイトの中にある「ボラギノールタウン」がボラギノールに込められた想いやこだわり、そして歴史について楽しく知ってもらうための仕掛けや世界観に力を入れられたサイトになっていますので、紹介させていただきます。制作会社目線で言うとものすごく工数をかけてらっしゃるのが分かります。
その他同じくBtoC向けの製品を展開されている製薬企業様から一部の企業様をピックアップして紹介します。
- ロート製薬株式会社さまブランド一覧ページ
(カテゴリーごとにブランド一覧がありそこからブランドサイトへの導線があります) - 小林製薬株式会社さま製品情報ページ
(ブランドから探すメニューでブランド名の頭文字ごとにまとめられており、それぞれブランドサイトがある場合は導線があります) - 大正製薬株式会社さまブランドサイト一覧ページ
- アース製薬株式会社さまブランド一覧ページ
(ブランドサイトがある製品には専用の導線が設置されています) - エスエス製薬株式会社さまブランド一覧ページ
アネッサ(株式会社資生堂)
化粧品会社を代表して株式会社資生堂様のブランドサイトからアネッサを事例にあげます。燦々と輝く太陽と気持ちの良い夏空を感じるデザイン性だけでなく、アネッサの技術の秘密や、資生堂の紫外線研究100年の歴史などのコンテンツが紫外線ケアブランドとして確立してきた自信を感じる構成となっています。
その他同じく化粧品を展開されている企業様から一部をピックアップして紹介します。
- 株式会社資生堂さまブランド一覧ページ
- 株式会社コーセーさまブランド一覧ページ
(ブランド詳細ページに行くとブランドサイトへの導線があります) - 花王株式会社さま化粧品ブランド一覧ページ
- 株式会社カネボウ化粧品さまブランド一覧ページ
まとめ:ブランドサイトは重要なマーケティングツール
ブランドサイトは、企業が提供する商品やサービスの価値を深く理解してもらい、購入や問い合わせにつなげるための重要なマーケティングツールです。
情報過多の時代となり、生成AIの登場もあり、新規層の認知のきっかけやタッチポイントが複雑化しています。プロモーションのハブとなるオウンドメディアとしてブランドサイトの重要性は高まっています。
ブランドサイトの主な価値
- ブランドの世界観・価値を体験してもらう場
- コーポレートサイトでは伝えきれない専門的な情報の提供
- 競合他社との差別化を図る手段
- 営業効率化・マーケティング支援の役割
そして、制作時には明確なターゲット設定、一貫したブランドアイデンティティ、使いやすいユーザー体験、継続的な改善体制の4つのポイントを押さえることで、より効果的なブランドサイトを構築できます。
ブランドサイト制作をご検討の際は、まず自社の現状と目標を整理し、専門家との相談を通じて最適な戦略を検討されることをおすすめします。
ブランド価値が正しく伝わるサイトへ
ジーピーオンラインのブランドサイト制作サービス
ブランドサイトはブランドが持つ世界観や価値の訴求に特化したWebサイトです。ターゲットユーザーを明確にし、ブランドとユーザーニーズの接点となるポイントをWeb戦略へ落とし込むことが重要です。プランニングから運用まで8ステップで、ブランド価値を最大化するWebサイトを制作し、長期的な顧客関係の構築を実現します。
ジーピーオンラインでは、インターネットの利用が活発になり始めた2000年に創業して以来、大手企業のWeb施策に携わってきた中で、制作実績として出せないものの数多くのブランドサイトを構築してきました。ブランドサイトの制作にお悩みの際は、ぜひご相談ください。
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WRITER久永愛子 Webマーケーター
2000年在学中から独学でWebサイト制作を経験したのち、2007年にジーピーオンライン入社。ディレクター、総務、広報、人事・採用などさまざまなポジションでの経験を活かし、Webサイト運用やWebマーケティングに関する情報を分かりやすく発信していきます。