こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)のおきぬです!
スマートフォンの普及により、Webサイトの多くがモバイル端末から閲覧される時代になりました。その流れを受けて、Web制作の現場でも「モバイルファースト(スマホファースト)」の設計思想が定着しつつあります。
最近では、パソコンでアクセスしてもスマートフォンと同じレイアウトで表示される「スマホ特化デザイン」のサイトが増加中です。当社でもこのようなデザインのご依頼が増えており、制作現場でのニーズの高まりを実感しています。
しかし、スマホ特化デザインを進める際には、制作サイズやレスポンシブ時のブレイクポイントなど、制作基準に迷うことも多いのではないでしょうか。そこで今回は、スマホ特化デザインで制作されているWebサイトを調査し、画面サイズや最新トレンドについてまとめました。
スマホ特化デザインに関心のある方や、制作で活用したいと考えている方は、ぜひ参考になさってください。
スマホ特化デザインもおまかせください!
もくじ
スマホ特化デザインとは?
スマホ特化デザインは、スマートフォンでの表示や操作性を最優先に設計されたWebサイトのデザイン手法です。
従来のレスポンシブデザインでは、PC・タブレット・スマホそれぞれに最適化したレイアウトを用意しますが、スマホ特化デザインはPCで閲覧してもスマートフォンと同じ幅・レイアウトを維持するのが特徴です。情報量を絞り、モバイル端末での操作性や視認性を最優先に設計することが基本です。
PCで表示した際に生じる左右の余白には、ナビゲーションや装飾要素を効果的に配置することで、全体のバランスを整えます。
スマホ特化デザインの呼称
- モバイルファースト
- スマホファースト
- モバイル特化(型)デザイン
- スマホ特化(型)デザイン
- 超モバイルファーストレイアウト
上記のように、スマホ特化デザインはさまざまな呼称がありますが、現在のところ明確な定義はありません。
モバイルファーストとの違い
「モバイルファースト」「スマホファースト」は、一般的にモバイル端末を優先する設計思想を指すことが多いです。
対して「モバイル特化(型)デザイン」「スマホ特化(型)デザイン」は、モバイル端末のレイアウトをPCでも維持するデザイン手法です。ここでは、「スマホ特化デザイン」と統一して表記します。
レスポンシブデザインとの違い
レスポンシブデザインは、ひとつのソースコードでPC・タブレット・スマホなどさまざまな画面サイズに対応する手法で、画面幅に応じてレイアウトが柔軟に変化します。
スマホ特化デザインはあえてスマホ幅をベースに固定し、PCでもスマホと同じ見た目を維持します。
スマホ特化デザインのメリット
スマートフォンユーザーに最適化
スマートフォンの画面サイズやタッチ操作に最適化できるため、ユーザーは必要な情報に素早くアクセスでき、直感的な操作が可能です。
制作コストと期間の削減
PCやタブレット向けのレイアウトを用意する必要がないため、作業量が減り、通常のレスポンシブ対応サイトよりも短期間かつ低コストで制作できます。
ひとつのレイアウトで運用できるため、更新や管理の手間も軽減され、運用・保守の効率化にもつながります。
表示速度の向上
PCやタブレット向けの要素を最小限に抑えることでサイト全体が軽量化され、ページの読み込み速度が速くなります。これによりユーザーはストレスなく快適に閲覧できます。
スマホ特化デザインのデメリット
PCでのユーザビリティ低下
スマホ特化デザインはスマートフォンでの閲覧に最適化されているため、PCでは見づらさや操作しづらさを感じることがあります。
特にPCでの閲覧が多いサイトでは、離脱率の増加や満足度の低下につながる恐れがあります。
デザイン表現や情報量に制限がある
縦長レイアウトが基本となるため、PC特有の横幅を活かしたデザインや表現が難しくなります。また、一画面で表示できる情報量が少なくなり、必要な情報を十分に伝えきれない可能性があります。
コンテンツやデザインの一貫性を保つ必要がある
スマホ特化デザインでは、PCでのみ情報や機能を追加する場合があります。デバイス間でコンテンツや操作感が異なるとユーザーの混乱を招くため、一貫性のある情報設計とデザインを保つことが重要です。
Googleはコンテンツの一貫性を重視するため、PCとスマートフォンで異なる情報がある場合、検索順位が下がるなどSEOに影響を及ぼすリスクがあります。
スマホ特化デザインが適しているWebサイト
スマホ特化デザインは、以下のようにユーザーの大半がスマートフォンやタブレットを利用している場合や、限られた予算・短納期で効率的にサイトを構築したい案件に効果的です。
- スマートフォンやタブレットからのアクセスが圧倒的に多いサイト
例:BtoC向けの商品サイト、キャンペーンLPなど - 応募や購入など、スマートフォンからのアクションが主目的のサイト
- SNSやアプリと連携したプロモーションサイト
- 制作コストや納期を重視したい場合
スマホ特化デザインのWebサイト調査
比較的近年に制作されたWebサイトを対象とし、スマホ特化デザインを採用した18サイトを調査しました。
調査内容
制作基準の参考値とトレンドを調査するため、以下の項目を確認しました。
- PC時のコンテンツ幅の値
- ブレイクポイント
- レイアウト(固定もしくは可変)
- PC時の余白に配置している要素
- サイト種別ごとの傾向
調査結果
PC時のコンテンツ幅の値
390px〜600pxが78%を占める(18サイト中14サイト)
iPhoneの画面幅にあわせた390pxや、タブレット表示を想定した600pxなど、具体的なデバイス幅を意識したpx指定が多いです。
ほとんどのサイトがタブレット表示時には100%幅に切り替わるレイアウトとなっていました。
スマホ特化サイトの制作時は、従来通りのスマートフォンのコンテンツ幅(375px〜390px)を基準にするとよいでしょう。
ブレイクポイント
ブレイクポイント1ヵ所のみのサイトが83%(18サイト中15サイト)
スマホ・タブレットに最適化しているため、1〜2ヵ所のブレイクポイントしか設けておらず、一般的なレスポンシブデザインより少ないのが特徴的です。768px(44%)、1024px(28%)が比較的多い設定値となっていました。
レイアウト(固定もしくは可変)
固定レイアウトが67%を占める(18サイト中12サイト)
要素サイズや文字の視認性をコントロールしやすい、固定レイアウトが多かったです。
可変レイアウトは、画面幅にあわせて要素が伸縮するため、PC表示時の余白要素をダイナミックに見せたい場合など、サイトコンセプトにあわせて採用してもよさそうです。
PCレイアウトの余白に配置している要素
アンカーナビゲーションや、サイト内メニュー、下層ページへの導線など、回遊リンクを設置しているサイトが多いです。スマートフォンでのメニュー内要素をそのまま表示しているサイトもあります。
ブランド性、コンセプト性が強いサイトは画像やグラフィック要素を配置することで、世界観を強調しています。
サイト種別ごとの傾向
今回は、ブランドサイト・キャンペーンサイト・特設サイト・サービスサイト・採用サイトのスマホ特化デザインを調査しましたが、種別ごとにみられる明確な差異はありませんでした。
まとめ
スマホ特化デザインは、スマートフォンユーザーの体験を最優先に考えたWebサイトのデザイン手法です。PCやタブレット向けのレイアウトを省略し、スマートフォンの画面幅に最適化することで、シンプルかつ直感的な操作性を実現できる点が大きな魅力です。制作コストや期間の削減、表示速度の向上など多くのメリットがあります。
一方で、情報量やデザイン表現に制限が出るなどのデメリットも存在します。ターゲットユーザーの閲覧環境やサイトの目的にあわせて、スマホ特化デザインが本当に適しているかを見極めることが重要です。
今回の調査を通じて、スマホ特化デザインでも工夫次第で表現や情報設計の幅を持たせられると感じました。スマートフォン利用がさらに拡大するこれからの時代、スマホ特化デザインの重要性と需要はますます高まっていくでしょう。
今回の記事が、Webサイト制作やプロジェクトに最適な設計を選ぶための参考になれば幸いです。
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WRITERおきぬ アートディレクター
2021年に新卒としてジーピーオンライン入社。入社後はデザイナーとしてデザインについて学びながら、イラストやコーディングなどを幅広く担当。現在はアートディレクターとして、ディレクションに挑戦中。