GA4で曜日別×時間帯別を分析する方法

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GA4で曜日別×時間帯別を分析する方法

久永愛子

WRITER久永愛子Webマーケーター

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GA4で曜日別×時間帯別を分析する方法

こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)の久永です!

Webサイトの運用改善において、ユーザーが「いつ」訪れているかを把握することは極めて重要です。例えばBtoBビジネスでは、「平日の昼間にアクセスが多い」という一般的な認識とは異なり、「実際には木曜の夕方にコンバージョンが集中していた」という発見が、施策の精度を大きく向上させるケースがあります。

GA4(Googleアナリティクス4)を活用すると、曜日や時間帯ごとのアクセスデータを分析し、具体的な改善策に繋げられます。しかし、GA4の標準レポートでは、時間帯と曜日別の掛け合わせデータは見ることができません

時間帯と曜日別の掛け合わせデータを調査する方法はいくつかありますが、この記事では、GA4の「探索レポート」の数値で、一番簡単に可視化する方法を解説します。直近2週間分のデータ分析で十分という方には、さくっと調べられる方法です。

曜日別×時間帯別の分析で把握できることとは?

Webサイトのデータ分析において、単にアクセス数やコンバージョン数を追うだけでなく、それらが「いつ」発生しているかの深掘りは非常に重要です。曜日や時間帯別のデータを細かく分析すれば、これまで見過ごしていたユーザーの行動パターンや潜在的なニーズを明確にできるでしょう。

ユーザーの行動パターンを深く理解できる

曜日や時間帯ごとのアクセスデータを分析すると、これまで漠然としていたユーザー像が、より具体的な行動パターンとして見えてきます。

例えば「自社のターゲットは平日の日中に活動するビジネスパーソンだ」という仮説が、「実際には火曜日から木曜日の午前10時〜12時にアクセスのピークがある」といった具体的なデータで裏付けられるのです。さらに深掘りすると、「月曜の午前中は情報収集、金曜の午後は問い合わせが多い」など、曜日ごとの行動の違いが明らかになるかもしれません。

こうしたユーザーの行動リズムを正確に把握することは、ペルソナの解像度を高めることに繋がります。ユーザーへの理解が深まるほど、適切なアプローチ方法が見つかるはずです。

メンテナンス時間やサイト更新のタイミングを決められる

曜日・時間帯別のアクセスデータは、ユーザー行動の理解だけでなく、サイト運用における実務的な判断にも役立ちます。例えば、サイトのメンテナンス作業や大幅なコンテンツ更新をおこなう際、最もアクセスが少ない曜日・時間帯を選べば、ユーザーへの影響を最小限に抑えられます。

また、新着記事の公開やキャンペーン情報を発表する場合も、アクセスが最も活発な「ゴールデンタイム」を狙って実施すれば、情報リーチの最大化が期待できるでしょう。データに基づいた適切なタイミングでの運用は、ユーザー体験を向上させ、Webサイトのパフォーマンス維持・向上に大きく貢献します。

GA4探索レポートの数値から分析する手順

ここからは、GA4の「探索レポート」とGoogleスプレッドシートを利用し、実際に曜日と時間帯を掛け合わせた分析レポートを作成する手順を具体的に解説します。

GA4の操作に不慣れな方でも迷わないよう、3つのステップに分けてご紹介します。この手順通りに進めれば、自社サイトのアクセスが集中する「ゴールデンタイム」を可視化するヒートマップが完成します。

STEP1:探索レポートから日付と時間帯データを抽出する

まずは、GA4の探索レポートを使って分析に必要な元データを抽出します。このステップでは、後でスプレッドシートで加工しやすいように、「日時」のディメンションを軸にデータを準備します

GA4の探索レポートを開き「自由形式」を選択する

GA4の管理画面左側にあるメニューから「探索」をクリックします。すると、いくつかのテンプレートが表示されるので、その中から「自由形式」と書かれた空白のレポートを選択してください。

GA4の探索レポートを開き「自由形式」を選択

分析期間を設定する

分析期間は2週間分で設定してください。(探索レポートの場合、表示する最大行数が500行となります。2週間分だと14日間×24時間=336行ですが、3週間だと500行を超えます。)

曜日の重なりが2回分になるように設定してください。

分析期間を2週間で設定

ディメンションを設定する

変数パネルよりディメンションを追加します。

ディメンションを追加

時刻から「日時」のディメンションを選択します。

ディメンションに「日時」を追加

指標を設定する

指標を追加

今回は最低限のセッションのみで設定してください。複数の指標があっても問題ありません。

指標に「セッション」を追加

【関連記事】GA4のセッションとは?UAとの違いや確認方法を分析事例を用いて解説

設定パネルに設置する

設定パネルの行にディメンションを設置

セグメントはすべてのユーザーだけでも構いませんが、ここではお問い合わせがあったユーザーのセグメントも表示させます。

表示される行数を500に設定

行に「日時」を設定したら、「表示される行数」を最大数の500に設定変更してください。最後に値へセッションを設置すると終了です。

STEP2:Googleスプレッドシートへダウンロード

GA4の探索レポートからダウンロードしたGoogleスプレッドシートを表示させます。

Googleスプレッドシートへダウンロード

STEP3:データの処理と分析

Googleスプレッドシートにインポートしたデータは、そのままでは曜日ごとの集計ができません。ここでは、日時データから曜日を抽出し、曜日と時間帯を組み合わせた集計表を作成します。

曜日を表示させる

曜日を表示

スプレッドシート上で日時データを「日付」「曜日」「時間」に分割し「セッション数」を足した表の作成です。キャプチャ画像を例にすると、A列に日時データがあるとして=LEFT(A10, 8)で日付(年月日)を使い、左から8桁分を抽出します。同様に、=RIGHT(A10, 2)で右側から2桁分(時間)を抽出します。 

曜日に関しては日付として抽出したデータの隣に=TEXT(A2,"aaa")のような関数を使って曜日を抽出します(「aaa」は「月」「火」のような短縮形、「aaaa」は「月曜日」「火曜日」のような完全な曜日名になります)。

※注意点 日時と曜日がずれるケースがあります。
A2に日時と曜日が同じ場合 =TEXT(A2,"aaa")
A2に日時と曜日がずれる場合 =TEXT(A2+1,"aaa")

セルの表示形式を「ヒートマップ」にして可視化する

この集計表に「条件付き書式」を設定し、数値の大小によってセルの色を変えることで、ヒートマップを作成できます。これにより、アクセスの多い時間帯が視覚的にわかりやすくなり、傾向を直感的に把握できるようになります。

「ヒートマップ」にして可視化

分析結果をどう見る?サイトの改善施策に活かす

レポートが完成したら、次はそのデータをどう解釈し、具体的なアクションに繋げるかが重要です。ただ数値を眺めるだけでは、サイト改善には繋がりません。ヒートマップで可視化された色の濃淡から、ユーザーの行動パターンを読み解き、次の一手を考える必要があります。

アクセスのピークを捉えるだけでなく、コンバージョンの傾向や、あえてアクセスの少ない時間帯にも目を向けることで、これまで気づかなかった改善のヒントが見つかるかもしれません。データという武器を手に、より戦略的なサイト運営を目指しましょう。

GA4の曜日別分析でよくある質問と解決策

GA4で曜日分析をおこなう際には、いくつか知っておくべき注意点が存在します。

「曜日」のディメンションが見つかりません

はい。GA4には「曜日」のディメンションが標準搭載されていません。

そのため、GA4で曜日ディメンションを使いたい場合は、GTM(Google Tag Manager)のカスタムJavaScript変数を活用する方法があります。

ただし、この手法にはGTMとGA4の知識が必要になるため、GA4初心者の方には少しハードルが高いかもしれません。詳しい方に設定を依頼するか、この設定だけを制作会社など外部に依頼するのもひとつの方法です。初回の設定のみであれば、無理に勉強する必要はなく、迅速に設定できる方法を検討しましょう。

日付と曜日がずれています

レポートを作成すると「なぜか曜日がずれて表示される」といったトラブルに遭遇する場合があります。特定の月だけ曜日がずれたり、うるう年が起因になったりするケースも見られます。

日付と曜日がずれる事例

これはGA4の仕様に起因するもので、仕組みを理解していないと誤ったデータ解釈をしてしまう可能性があります。必ず日付をチェックして曜日が合っているかをランダムに目視するだけで、曜日のずれは簡単に気づけます。探索レポートとスプレッドシートの組み合わせは、こうしたチェックがしやすい点が利点です。

特定の曜日だけデータが異常に多いです

特定の曜日だけアクセス数やコンバージョン数が異常に多い場合、いくつかの原因が考えられます。例えば、その曜日にあわせて大規模な広告キャンペーンやメールマガジン配信を実施している、特定のSNSで拡散された、メディアに取り上げられた、といったマーケティング施策が直接的な要因となっている場合があります。

まずはその曜日に何か特別な施策やイベントがなかったかを社内で確認しましょう。

Looker Studioで見る方法はありますか?

はい。あります。Looker Studio(旧データポータル)は、GA4をはじめとするさまざまなデータソースに接続し、インタラクティブなダッシュボードを無料で作成できるBIツールです。

定期的にチェックする場合は、Looker Studioでレポートテンプレートを作成しておくことをおすすめします。

Looker Studioでは「曜日の名前」ディメンションでGA4のデータを曜日ごとに集計できます。

Sundayなどの英語表記なので、

日本語表記で表示したい場合は計算フィールドを作成する必要があります。

例)

CASE

WHEN WEEKDAY(日付,'DEFAULT_DECIMAL') = 0 THEN '日'

WHEN WEEKDAY(日付,'DEFAULT_DECIMAL') = 1 THEN '月'

WHEN WEEKDAY(日付,'DEFAULT_DECIMAL') = 2 THEN '火'

WHEN WEEKDAY(日付,'DEFAULT_DECIMAL') = 3 THEN '水'

WHEN WEEKDAY(日付,'DEFAULT_DECIMAL') = 4 THEN '木'

WHEN WEEKDAY(日付,'DEFAULT_DECIMAL') = 5 THEN '金'

WHEN WEEKDAY(日付,'DEFAULT_DECIMAL') = 6 THEN '土'

ELSE 'other'

END

【関連記事】Looker Studio(Googleデータポータル)とは?使い方を5STEPで紹介

まとめ|時間帯×曜日別分析をサイト運用に活かそう

本記事では、GA4の「探索レポート」を活用して、曜日と時間帯を掛け合わせたアクセス分析をおこなう具体的な手順と、その結果をサイト改善に活かすためのポイントを解説しました。

  • 曜日・時間帯分析はユーザー理解の第一歩
  • 「探索レポート」と「Googleスプレッドシート」だけで、曜日×時間帯のクロス分析が可能
  • ヒートマップで可視化すれば、アクセスの傾向が直感的にわかる
  • 分析結果を「情報発信の最適化」「リソースの集中」に活かす

データ分析は、一度行ったら終わりではありません。施策を実行した後は、再びデータを分析し、その効果を測定するというサイクルを回し続けることが重要です。

ぜひ、自社サイトのデータでレポートを作成し、ユーザーの行動パターンから次のアクションに繋がるヒントを見つけ出してください。この記事が、貴社のWebマーケティング活動を前進させる一助となれば幸いです。

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この記事の著者
久永愛子

WRITER久永愛子 Webマーケーター

2000年在学中から独学でWebサイト制作を経験したのち、2007年にジーピーオンライン入社。ディレクター、総務、広報、人事・採用などさまざまなポジションでの経験を活かし、Webサイト運用やWebマーケティングに関する情報を分かりやすく発信していきます。

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