福利厚生コンテンツは採用サイトに必須?求職者に響くコンテンツの見せ方を解説

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福利厚生コンテンツは採用サイトに必須?求職者に響くコンテンツの見せ方を解説

こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)のセイノです!

ここ数年で採用市場は目まぐるしく変化しています。働き方の多様化に加え、人々の価値観も多様化し、さらに労働人口の減少も深刻化しています。このような状況において、求職者が企業を選ぶ際の基準は、従来の給与や待遇といった要素だけでなく、「ここで自分らしく、安心して働き続けられるか」という視点へと大きくシフトしています。

このような状況下で特に注目されているのが「福利厚生」です。求職者は、制度の有無という表面的な情報だけでなく、制度の実際の活用状況や従業員の働きやすさへの貢献度を重視するようになっています。福利厚生は、求職者にとって、企業が従業員のことを真剣に考え、長期的なキャリア形成を支援してくれるかどうかを見極めるための重要な指標となっているのです。

充実した福利厚生は、他社との差別化を図り、優秀な人材を獲得するための強力な武器となります。しかし、単に社内の福利厚生の制度をリストアップするだけでは、求職者に興味を持ってもらえないでしょう。重要なのは、自社の魅力を最大限に引き出し、求職者のニーズに合致した「伝え方」を工夫することです。

本記事では、なぜ今あらためて福利厚生が注目されているのか、そして採用サイトでどう伝えるべきかを解説していきます。

採用サイトに福利厚生コンテンツは必要?

求職者が福利厚生に注目する理由

今、求職者が福利厚生に注目する理由

2025年の採用市場は、求職者優位の売り手市場であり、企業間の優秀な人材獲得競争は激しさを増しています。少子高齢化による労働人口の減少に加え、働き方の多様化や個々の価値観の多様化が進む現代において、求職者はより慎重に企業を評価し、選択する傾向が強まっています。

かつては、給与水準や担う業務内容が主な判断軸でしたが、今は、「どのような環境で、どのような同僚と、そしていかに自身のライフスタイルを尊重しながら働けるのか」といった、より包括的な視点から企業を比較検討する求職者が増加しています。

20代から30代の若手・中堅層は、企業選択において「安心して長期的なキャリアを築けるか」「ライフスタイルや価値観に合っているか」を特に重視する傾向があり、福利厚生はこれらの判断材料として重要視されています。

さらに、以下の社会的な変化も福利厚生への注目を高めています。

  • SNSや口コミサイトの普及
    インターネットを通じて、企業のリアルな職場環境や従業員の評価を容易に入手できるようになったことで、求職者は入社前に企業の内情を詳細に比較検討することが一般的になっています。
  • 福利厚生制度の多様化
    企業は、画一的な制度だけでなく、独自のユニークな福利厚生を導入することで、自社の企業文化や従業員への配慮をアピールし、他社との差別化を図るようになっています。
  • 人生100年時代と少子高齢化
    人生が長期化し、社会全体で労働人口が減少していく中で、求職者は、長く安心して働き続けられる企業であるかどうかを、より一層重視するようになっています。

求職者が福利厚生を見るときの3つの視点

求職者が福利厚生に注目するのは、単に手当の多さや制度の珍しさだけではありません。福利厚生を通して、「この会社で自分がどう働き、どう生活していくのか」を具体的にイメージしようとしています。これが何を意味するかというと、福利厚生は、安心して長く働ける企業かどうかを見極めるための重要な手がかりだということです。

求職者は、主に次の3つの視点でその情報を読み取っています。

1. 生活の安定が得られるか(保険・住宅・各種手当など)

まず求職者は、社会保険(健康保険、厚生年金保険、雇用保険、労災保険)の加入状況や、家賃補助・住宅手当の有無、通勤手当の支給条件など、経済的な基盤や生活を支える制度が整っているかを確認します。これらの制度は、日々の生活に直接影響を与えるため、求職者にとって非常に重要な判断材料となります。

例えば、家賃補助があれば住居費を抑えられ、可処分所得が増えるため、生活の安定につながると考えられます。また、社会保険が完備されていることは、万が一の病気やケガ、失業などに備える上で不可欠です。

2. 評価される環境があるか(表彰制度・インセンティブなど)

求職者は、企業が従業員の頑張りや成果をどのように評価し、報いてくれるのかを見ています。表彰制度や頻度、インセンティブの具体的な内容(金銭的な報酬だけでなく、昇進やキャリアアップの機会なども含む)資格取得支援制度の有無などが注目されています。

求職者は、これらの情報から「自分の努力や成果がきちんと評価され、成長できる環境かどうか」を判断しようとしています。明確な評価制度やインセンティブ制度は、従業員のモチベーションを高め、長期的なキャリア形成を後押しする要素になるでしょう。

3. 心身ともに安心して働けるか(休暇制度・育児支援・メンタルケアなど)

この視点では、年間休日数や有給休暇の取得しやすさ、育児休業や介護休業制度の充実度、時短勤務制度の有無、また、従業員のメンタルヘルスをサポートする制度(相談窓口の設置、ストレスチェックの実施など)があるかを確認しています。

特に近年は、ワークライフバランスを重視する傾向が強まっており、仕事とプライベートを両立させながら、心身ともに健康で長く働き続けられる環境かどうかが重要視されています。育児支援制度が充実していれば、子育て世代の求職者は安心して働けると考えられますし、メンタルケア制度が整っていれば、安心して業務に取り組める環境であると判断できるでしょう。

これらの視点で採用サイトの福利厚生コンテンツを設計してみましょう。そして、具体的な制度内容だけでなく、実際に利用している従業員の声や事例などを交えて紹介することで、求職者は入社後の働き方をより具体的にイメージできるようになります。結果、この企業で働きたいという共感や納得感が高まり、応募意欲の向上にも期待できるでしょう。

採用サイトに福利厚生を載せるべき理由

採用サイトに福利厚生をしっかり掲載することで得られるメリットは、大きく次の3つです。求職者の視点に立ったとき、なぜ福利厚生の情報が応募につながるのか、ひとつずつ見ていきましょう。

働きやすさの訴求がエントリー率を左右する

求職者が企業を検討する際「自分がこの職場で無理なく、そして安心して働き続けられるだろうか」という働きやすさに対する関心が高まっています。

例えば、以下のような福利厚生制度が存在し、具体的内容を求職者に伝えるだけでも、企業の職場環境の良さが強くアピールできます。

  • 柔軟な働き方を支援する制度
    残業時間の抑制に向けた取り組みや、個々のライフスタイルに合わせた勤務が可能なフレックスタイム制度の導入。
  • 休暇の取得を推奨する文化
    有給休暇の取得率の高さを示すデータや、慶弔休暇、夏季・冬季休暇などの特別休暇制度の充実。
  • 多様な勤務形態への対応
    リモートワークの可否や、育児や介護と両立しやすい時短勤務制度の有無。

これらの情報を採用サイトで丁寧に紹介することで、求職者は入社後の「働くイメージ」をより具体的に、そしてポジティブに描けます。結果、「この企業なら安心して働けそうだ」という安心感が生まれ、応募への心理的なハードルが下がり、積極的な応募につながります。

他社との比較材料になりやすい

求職者は、複数の企業を慎重に比較検討しています。福利厚生は、給与や職務内容だけでなく、各企業の従業員に対する考え方や価値観が具体的にあらわるため、他社との違いを明確に示せる良い判断材料となります。

例えば、求職者は以下のような点を比較し、自分のニーズや価値観に合致する企業を選ぶ傾向があります。

  • 福利厚生の種類と充実度
    単に制度の数だけでなく、内容が求職者の多様なライフスタイルやキャリアプランを支援するものであるか(例:住宅手当、育児・介護支援、スキルアップ支援、健康増進プログラムなど)。
  • 制度の利用しやすさと柔軟性
    制度があっても利用実績が少なかったり、手続きが煩雑であったりする場合、求職者にとって魅力は低下します。男性の育児休業取得率や、個々の事情に合わせた勤務時間や場所の選択肢の有無などは、注目されるポイントです。
  • 独自性のある福利厚生
    他社にはないユニークな制度は、企業の個性を際立たせ、求職者の興味を引きつけます(例:ボランティア休暇、家族向けのイベント、自社ならではの特別手当など)。

重要なのは、単に福利厚生の制度を列挙するだけでなく、それぞれの制度が従業員のどのようなニーズに応え、どのような働き方を支援するのかを具体的に伝えることです。制度導入の背景にある企業の想いや、実際に制度を利用している従業員の声を掲載することも有効でしょう。

「福利厚生が充実している企業」という漠然としたイメージではなく、「〇〇という制度があることで、△△な働き方が実現できる企業」「社員の〇〇を大切にする企業」という具体的なメッセージとともに伝えることが重要です。それが求職者の共感を呼び、数ある企業の中から「この企業で働きたい」と思ってもらえる可能性が高まります。

若手人材の応募を後押しする

20~30代の若手人材にとって、福利厚生は単なる制度のリストではなく、「生活の安定」や「雰囲気」といった、入社後の働き方を具体的にイメージするための重要な判断材料となります。特に、社会人経験の浅い新卒・第二新卒や新たな職種に挑戦する未経験の人材にとって、働き始めることへの期待と同時に、大きな不安も抱えているものです。そのため、福利厚生に関する情報は、そうした不安を軽減し、「この企業なら安心して一歩を踏み出せる」と思ってもらうための重要な要素になります。

実際に、若手求職者からは以下のような声が挙がることが多いです。

  • 家賃補助の有無は、地方から出てくる人にとっては生活設計を大きく左右する
  • 育児支援制度が充実していれば、将来的なライフプランを描きやすい
  • 研修制度や資格取得支援制度があれば、スキルアップを通して長く貢献できると感じる
  • メンター制度や相談窓口があれば、新しい環境に馴染めるかという不安が和らぐ

これらの声に応えるためには、福利厚生の制度内容を詳細に伝えるだけでなく、制度がどのような課題解決につながり、どのようなメリットを従業員にもたらすのかを具体的に示す必要があります。例えば、住宅手当の金額だけでなく、支給条件や対象となる範囲を明記したり、育児休業の取得実績や復帰後のサポート体制を紹介することが効果的です。

福利厚生の中に、こうした若手人材の不安や期待に応える情報がしっかりと盛り込まれていることで、「ここなら安心して応募できる」という後押しになり、結果として、若手人材の応募意欲を高めることにつなります。「若手人材を積極的に採用したい」と考える企業ほど、福利厚生の情報を求職者の視点に立って丁寧に伝え、自社の魅力を最大限にアピールすることが重要といえるでしょう。

求職者に響く福利厚生コンテンツの見せ方

福利厚生の制度が充実していても、ただ羅列するだけでは求職者の心には響きません。大切なのはここで働いてみたいと思ってもらえるように伝え方を工夫することです。ここでは、採用サイトで福利厚生を魅力的に見せるためのポイントを2つご紹介します。

福利厚生を洗い出して整理・分類する

採用サイトで福利厚生を効果的にアピールするためには、まず自社にどのような制度があるのかを明確に把握しましょう。ここで見落としがちなのが「自社で当たり前になっている」福利厚生です。自社での当たり前が求職者にとっての当たり前になるとは限りません。

例えば、社会保険完備、有給休暇制度、交通費支給などは多くの企業で導入されていますが、求職者にとっては安心して働くための基本的な条件となります。これらの基本的な制度も含め、自社に存在するすべての福利厚生制度をリストアップしましょう。

カテゴリ別に整理する

洗い出した福利厚生を、以下のカテゴリに分類して整理することで、自社の強みや特徴が見えやすくなります。

カテゴリ 説明 具体例
生活を支える制度 日々の経済的な安定をサポートする制度です。 例:住宅手当、家賃補助、社員食堂、食事補助、慶弔見舞金、財形貯蓄制度、社員持株会など
健康を守る制度 従業員の心身の健康維持・増進を支援する制度です。 例:定期健康診断、人間ドック補助、産業医による健康相談、メンタルヘルスケア、スポーツジム利用補助、インフルエンザ予防接種補助など
成長を支援する制度 従業員のスキルアップやキャリア形成をサポートする制度です。 例:資格取得支援制度、研修制度(階層別研修、OJTなど)、書籍購入補助、セミナー参加費補助、海外研修制度、社内図書館など
コミュニケーションを促す制度 従業員間の交流やチームワークを促進する制度です。 例:社内イベント(社員旅行、懇親会など)、部活動・サークル活動支援、社員交流スペース、表彰制度、永年勤続表彰など
ライフステージに寄り添う制度 従業員のさまざまなライフイベントをサポートする制度です。 例:産前産後休業、育児休業、短時間勤務制度、子の看護休暇、介護休業、介護休暇、ベビーシッター利用補助、企業内保育所など

整理することによるメリット

カテゴリ別に整理することで、以下3つのメリットが得られます。

  1. 求職者への訴求ポイントの明確化
    各カテゴリの中で、特に充実している制度やユニークな制度が明確になり、求職者へのアピールポイントを見つけやすくなります。
  2. 改善点の発見
    他社の事例と比較検討する際に、自社の弱い部分や改善すべき点が見えてくることがあります。
  3. 採用サイトでの見せ方の検討
    求職者のニーズにあわせて、どの情報を重点的に伝えるべきか、どのような切り口で紹介すべきかを検討しやすくなります。

福利厚生を整理・分類する際には、具体的な内容や利用条件なども含めて記録しておくことが重要です。また、実際に制度を利用した従業員の声などを集めておくと、採用サイトでコンテンツを制作する際にリアリティが生まれます。

利用実績や補助額を定量化し数字で見せる

制度の名前をただ並べるだけでは、求職者にとって本当に魅力的な情報にはなりません。実際に制度が活用され、従業員の働きやすさや満足度に貢献している実態を示すことが重要です。そこで有効なのが、福利厚生の利用実績や具体的な数値を提示することです。

定量的な情報で信頼性と説得力を向上

数字を用いることで、制度が形骸化しておらず、実際に活用・機能していることを具体的に伝えられます。抽象的な表現だけでは伝わりにくい制度の効果も、定量的なデータによって明確に示せます。例えば、以下のような表現であれば求職者の安心感や期待感を高められるでしょう。

育児支援制度 「育児休業取得率 〇〇%、過去3年間で〇〇名の社員が育休を取得・復帰」「男性社員の育休取得実績あり(最長〇か月)」
資格取得支援制度 「年間〇〇万円の資格取得費用を補助」「〇〇種類の資格取得を支援」「制度を利用して〇〇名がスキルアップを実現」
柔軟な働き方 「リモートワーク実施率 平均〇〇%」「フレックスタイム制度利用者の〇〇%が働きやすさを実感」「平均残業時間 月〇〇時間」
経済的支援 「住宅手当支給額 平均〇〇円」「社員食堂利用率 〇〇%、年間〇〇食を提供」「財形貯蓄制度加入率 〇〇%」
健康増進 「健康診断受診率 〇〇%」「スポーツジム利用補助制度 利用者数 〇〇名」
評価制度 「過去1年間の表彰実績 〇〇件」「〇〇%の社員が目標達成インセンティブを受給」

求職者が「自分ごと」として捉えるために

これらの数値を提示する際には、単にデータを並べるだけでなく「これらの数字が、入社後の自分にとってどのようなメリットがあるのか」を具体的に示すことが重要です。例えば、育休取得率の高さをアピールする際には、「ワークライフバランスを重視する社員が安心して働ける環境です」といったメッセージを添えることで、より求職者の心に響くでしょう。

また、可能であれば、実際に制度を利用した社員のインタビューや体験談を掲載することも有効です。具体的なエピソードと数値を組み合わせることで、福利厚生制度が単なる制度ではなく、「社員一人ひとりの働き方や生活を豊かにするサポート体制」として、よりリアルに伝わるはずです。

継続的なデータ収集と分析

効果的な情報発信のためには、福利厚生の利用状況に関するデータを継続的に収集・分析し、結果を定期的に見直すことが重要です。利用率の低い制度や、求職者のニーズを満たしていない可能性のある制度は改善を検討するなど、常に最新で鮮度の高い情報を提供できるように努めましょう。

数字で具体的に示された福利厚生は、求職者に対して透明性が高く、信頼感を与えられます。積極的に定量的な情報を開示し、自社の福利厚生の魅力を最大限にアピールしましょう。

【関連記事】求職者に数字で見るコンテンツは効果的!採用サイトにおける効果と作り方を紹介

「魅力的な福利厚生がない」と感じる企業の打開策

「福利厚生が弱い」と感じている企業が実践できる打開策例

特別な福利厚生がないと感じる企業は、既存の取り組みを再定義・見える化したり、ネーミングや伝え方を工夫することが効果的です。小さな制度に想いを込めて発信することで、求職者に魅力を伝え、応募意欲を高められます。

しかし、必ずしも豪華な制度や目新しい制度が必要なわけではありません。大切なのは、自社らしい取り組みや文化を求職者に伝わる形に変換することです。

ここでは、「福利厚生が弱い」と感じている企業が実践できる、打開策をご紹介します。

制度化していない取り組みも福利厚生にできる

社内に目を向けると、福利厚生として明確に制度化されてはいないものの、従業員の働きやすさや満足度に貢献していると思われる取り組みや文化が潜在的に存在しているはずです。これらの隠れた魅力を掘り起こし、その意義や目的を明確にすることで、新たな福利厚生として再定義し、求職者に向けて発信できます。

月1回のランチ会 従業員間のコミュニケーションを促進し、部署を越えて交流を深めることを目的とした「社内コミュニケーション促進ランチ制度」として定義できます。費用補助や参加の推奨などを加えることで、より制度としての価値が向上します。
業務時間内の勉強時間 個々のスキルアップやキャリア開発を支援する目的を明確にし、「業務内学習サポート制度」として制度化できます。学習時間の確保だけでなく、学習内容に関する上司の承認や、学習成果の共有などを仕組みに組み込むことも有効です。
メンター制度 新入社員や若手社員の成長をサポートするだけでなく、全従業員のキャリア形成を支援する取り組みと捉え、「キャリア支援のための1on1制度」として制度化できます。これに加えて、定期的な面談の実施や、メンター育成のための研修などを導入することで、制度としての質も向上します。

重要なのは、これらの取り組みを単なる習慣として捉えるのではなく、従業員にとってどのような価値を提供しているのかを深く考察し、その価値を明確な言葉で表現し、制度として定義することです。

これにより、求職者に対して企業が従業員の成長や働きやすさを真剣に考えている姿勢を示し、魅力的な福利厚生としてアピールすることが可能になります。また、既存の従業員にとっても、自社の隠れた魅力が再認識され、エンゲージメントの向上につながる可能性があるでしょう。

ネーミングや打ち出し方で印象を変える

制度そのものよりも、名前や伝え方を変えるだけで魅力が大きく変わることもあります。求職者の印象に残りやすくなる工夫として、制度に親しみやすいネーミングをつけたり、制度の目的やメリットが伝わるようなメッセージを添えたりするのが効果的です。

before:「資格取得補助制度」

多くの企業で見られる制度名で、具体的な魅力が伝わりにくい。どのような資格が対象なのか、補助額はどの程度なのかといった詳細が不明なため、求職者は自分にとってメリットがあるかどうかを判断しにくい。

after:「“学びたい気持ち”を応援する制度」

このようにネーミングを変更し、「社員の成長を応援したい」という企業の思いを前面に出すことで、単なる金銭的な補助制度ではなく、キャリアアップを支援する文化があることを示唆できる。さらに、「TOEIC〇〇点以上取得で受験料全額補助」「業務に関連する資格取得で〇〇万円まで補助」といった具体的な情報を加えることで、制度の魅力が格段に向上します。

制度の意図や背景が伝わるように表現することで、同じ制度でも違った印象を与えられます。求職者は、制度の内容だけでなく、その制度が自社の企業文化や社員への想いを反映しているかどうかを見ています。したがって、制度の名称や説明文を工夫することで、企業の魅力をより効果的にアピールできるのです。

小さな制度でも「想い」を添えると武器になる

たとえ小さな福利厚生でも、その裏にある「社員を大切にしたい」という企業の想いを伝えることで、求職者の共感を呼び、応募の後押しとなることがあります。制度の内容だけでなく、制度が生まれた背景や、社員のどのような課題を解決したいのかといったストーリーを丁寧に語ることで、求職者はその企業で働くイメージを具体的に描きやすくなります。

例えば「月に一度のランチ代補助」という制度がある場合、単に金額を伝えるだけでなく「部署間の交流を深め、風通しの良い組織文化を育みたいという想いから生まれました。普段なかなか話す機会のない社員同士が、ランチを共にすることで、新しいアイデアが生まれたり、仕事の悩みを共有し合ったりするきっかけになっています。」といった具体的なエピソードや導入の背景を付け加えることで、求職者により制度の魅力が伝わるでしょう。

このように、制度のスペックだけでなく、背後にある企業の価値観や社員への想いを伝えることで、求職者は「この企業は自分のことを大切にしてくれるだろう」と感じ、入社意欲を高められます。小さな福利厚生にも、企業の温かいメッセージを込めて発信していくことで、採用活動の成果にもつながるでしょう。

採用サイトに福利厚生コンテンツを設ける際の注意点

福利厚生は、うまく活用すれば求職者の関心を集める強力なコンテンツになります。しかし、ただ羅列するだけでは本来の価値は伝わりません。むしろ、誤解を生んだり、情報として埋もれてしまったりすることも。ここでは、採用サイトで福利厚生を紹介する際に注意すべきポイントを3つご紹介します。

一覧だけにならないようにする

よくあるパターンのひとつが、福利厚生を箇条書きで並べるだけの構成です。

制度の名前と簡単な説明だけではなく、その制度がなぜ存在するのか、社員はどのように活用しているのか、そして求職者にとってどのようなメリットがあるのかが具体的に伝わりません。求職者は、福利厚生の制度名だけでなく、背景にある企業の考え方や、実際に働く上でのメリットも知りたいと考えています。

実際の利用シーンを写真付きで紹介する

オフィス環境や社員が制度を利用している様子を写真で紹介することで、求職者は働くイメージを持ちやすくなります。例えば、社員食堂の賑わいや、リフレッシュスペースでくつろぐ社員の様子、育児休業から復帰した社員のインタビューなどが考えられます。

社員インタビューで登場した制度に触れてもらう

実際に制度を利用している社員の声は、求職者にとって最も信頼できる情報源のひとつです。インタビュー形式で、制度を利用してどのようなメリットがあったのか、どのように働き方が変わったのかなどを具体的に語ってもらいましょう。

制度ごとに導入の背景や想いを簡単に添える

それぞれの福利厚生制度が、従業員のどのような課題を解決するために、どのような想いで導入されたのかを伝えることで、企業の姿勢や価値観が伝わりやすくなります。

情報の鮮度を保つ

制度の内容は常に変化する可能性があります。古い情報や、すでに利用できなくなった制度が掲載されていると、企業への信頼感が下がる恐れがあります。

「福利厚生が充実している」と期待して応募してきた求職者に入社後、情報が異なっていることが発覚した場合、不信感を抱かせてしまうだけでなく、企業の評判を損なう可能性もあります。

よくある例

  • 「在宅勤務制度あり」と書かれているが、現在は出社前提になっている
  • 「年間3万円の書籍補助」と記載があるが、実際は2万円に変更されている
  • 期間限定のイベントやキャンペーンに関する情報が、終了後も掲載されたままになっている

対策

  • 半年〜1年に1度は福利厚生ページを見直す
    定期的に福利厚生の内容を見直し、現状と相違がないかを確認する体制を整えましょう。担当部署だけでなく、人事や労務など関連部署との連携も重要です。
  • 制度の更新があった際は、採用サイトにも速やかに反映する運用フローを設ける
    制度の変更や新しい制度の導入があった際には、採用サイトの情報を更新するまでのルールを明確にしておきましょう。誰が、いつまでに、どのように更新作業をおこなうのかを定めることが大切です。
  • 最終更新日を明記する
    福利厚生ページに最終更新日を記載することで、求職者は情報の鮮度を判断する目安になります。

正確な情報を保つことは、信頼される採用広報の第一歩です。常に最新の情報を提供することで、求職者は安心して応募できます。

求職者にとって「自分ごと」として捉えられるようにする

福利厚生の情報を掲載する際には、求職者にとってどのようなメリットがあるのかを明確に伝えることが重要です。制度の内容を説明するだけでなく、「制度を利用することで、~できる」という視点で情報を発信しましょう。

対策

  • ターゲットとなる求職者のニーズを意識する
    自社の採用ターゲット層がどのような福利厚生に関心を持っているのかを分析し、ニーズに合った情報を重点的にアピールしましょう。例えば、若手層には家賃補助やスキルアップ支援、子育て世代には育児支援制度などが響きやすいと考えられます。
  • 具体的な金額や利用条件を明記する
    住宅手当の支給額、有給休暇の取得日数、育児休業の期間など、具体的な数値を提示することで、求職者は自身の状況と照らし合わせて検討しやすくなります。「詳しくはお問い合わせください」といった曖昧な表現は避け、できる限り詳細な情報を公開しましょう。
  • Q&A形式で疑問を解消する
    求職者が抱きやすい疑問を想定し、Q&A形式で情報をまとめるのも効果的です。「育児休業は男性も取得できますか?」「副業は許可されていますか?」といった具体的な質問と回答を掲載することで、求職者の不安を解消できます。

福利厚生は、求職者にとって入社後の働き方をイメージするための重要な要素です。単なる制度紹介にとどまらず、求職者の視点に立ち「どのようなメリットがあるのか」が具体的に伝わるように工夫することで、応募意欲の向上に繋げましょう。

【関連記事】採用サイトに必要なコンテンツとは?成功事例とポイントを紹介

まとめ|どのように求職者に届けるか

採用サイトにおける福利厚生コンテンツの重要性と、効果的な見せ方について解説しました。

魅力的な福利厚生コンテンツにするためには、制度を整理・分類し、具体的な利用実績や数値を提示することが重要です。また、制度化されていない取り組みも福利厚生として再定義したり、ネーミングや伝え方を工夫したりすることで、企業の魅力を効果的に伝えられます。

福利厚生コンテンツを作成する際には「どのような福利厚生があるか」ではなく「求職者にどう届けるか」も含めて設計することが、鍵となるでしょう。本記事で紹介したポイントを参考に、求職者の心に響く福利厚生コンテンツを作成し、採用活動の成功に繋げてください。

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この記事の著者
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WRITERseno ディレクター

新卒でシステムエンジニア、その後制作会社と事業会社でWebディレクターを経験し、2021年にジーピーオンラインに入社。コーポレートサイトや採用サイトのリニューアルをメインで担当し、2024年からはマーケティング業務も兼任。

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