採用サイトのコンセプトとは?作り方と他社事例を紹介

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採用サイトのコンセプトとは?作り方と他社事例を紹介

こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)でディレクターをしているふじです!

採用活動において自社の採用サイトは必要不可欠なツールになりつつあります。採用サイト制作で仕上がりを左右するのが、コンセプト作りです。コンセプトを決めて制作すると、効果的かつ魅力的な採用サイトになります。

しかし、「そもそも採用サイトのコンセプトって何?」「コンセプトってどうやって作るの?」と悩みを抱える担当者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。

本記事では、採用サイトコンセプトとは何か、その作り方を事例も紹介しながら解説していきます。

採用サイトのコンセプトとは何か

採用サイトのコンセプトとは

採用サイトのコンセプトとは、「自社が求める人物像に対して、何を目的に、どのような情報を発信するか」を定めた方針のことです。

具体例をあげてみましょう。
例えば採用において求める人材像を、「ホスピタリティ精神のある人材」と定義している企業を考えてみます。採用面での課題として、「お客さまへのホスピタリティがある人材だけではなく、社内に対してもホスピタリティ性を持って、取り組む人材を増やしたい」という考えがあるとします。その場合、採用サイト内では「企業として求める理想のホスピタリティ」を具体的に示す必要性がありそうです。

そこで採用サイトを制作・運用するにあたっては、「より企業にマッチした人材の応募が増えるようにするために、求職者に対して、理想のホスピタリティの内容を発信する」というコンセプトを設定することになります。

このように、採用の課題・目的、企業の理念・ブランドイメージ、求める人材をもとに、どのような方向性で採用サイトを制作・運用するかを定めた方針が、採用サイトのコンセプトです。

なぜコンセプトが重要なのか?採用を成功に導く3つの理由

採用サイトを制作・運用するにあたって、コンセプト設定は非常に重要です。メリットとしては主に以下の3つがあります。

  1. マッチした人材を確保しやすくなる
  2. 企業のブランドイメージの強化・認知拡大につながる
  3. コンテンツ制作がしやすくなる

それぞれ解説していきます。

マッチした人材を確保しやすくなる

コンセプトのある採用サイトは、求める人物像からの応募数増加に期待できます。

  • どのような人材を求めているのか
  • 他社と異なる魅力は何か
  • 大切にしたい価値観は何か

コンセプトを明確に持つことで、上記のような共通認識が採用・人事関係者の間で持てるようになり、一貫性のある採用活動ができるためです。

採用市場が激化し、求職者のニーズも多様化している中、一貫性のあるメッセージ・コンテンツを発信することは重要です。一貫性のある採用活動によって、企業にマッチした求職者の共感を呼び、応募してもらえる可能性が高くなります。

企業のブランドイメージの強化につながる

採用サイトのコンセプトには、企業理念や価値観、他社と異なる企業の魅力が反映されます。

コンセプトをもとに発信したメッセージ、キャッチコピー、コンテンツ、画像によって、企業のブランドイメージにもつながるため、どのようなコンセプトにするかを明確にすることは重要です。

既存のブランディング施策がある場合は、そのブランディングと齟齬が生じないかも意識しておきましょう。

コンテンツ制作がしやすくなる

採用サイトのコンセプトが決まっていると、サイト内に何が必要かイメージしやすくなるので、コンテンツ制作がしやすいです。

例えば、「どんなライフステージでもその人らしく働ける」がコンセプトだとすると、「一日の流れ」で時差出勤でお子さんの送り迎えをしながら働いていることを伝えたり、「介護休暇制度」を利用して家族の介護と両立しながら働いている従業員もいることを伝えるといいことがわかります。

このようにコンセプトが決まっていると、スムーズにコンテンツ制作を進められます。

採用サイトのコンセプトの作り方【4つのSTEP】

それでは、採用サイトのコンセプトの作り方を紹介します。

下記手順に沿って進めてみましょう。

  • 【STEP1】企業理念や価値観の明確化・他社との差別化
  • 【STEP2】採用におけるターゲット・ペルソナの設定
  • 【STEP3】採用課題を洗い出す
  • 【STEP4】コンセプトに落とし込む

【STEP1】企業理念や価値観の明確化・他社との差別化

まずは、企業理念やビジョン、大切にしている価値観を明確に定義します。その中で、他社とは異なる独自の強みも考えましょう。特に競合他社と同じようなコンセプトになってしまうと、求職者の応募が分散してしまい、採用機会の損失にもつながってしまうため注意しましょう。

しかし、いざ他社との差別化を考えると他社と似たり寄ったりな点がでてきて難しいケースも多いと思います。悩んだ時には、社員の中で企業理念を体現している理想の人を考えてみてください。その人はなぜ自社で働いているのか、入社の際に他社はなぜ考えなかったのか、など掘り下げていくと競合他社との違い・魅力をつかめるかもしれません。

あるいは、その企業らしさを感じる複数のエピソードから共通点が浮かび上がることもあるでしょう。そういったことをひとつずつ深掘りしていくこともおすすめです。

以下の記事でも採用サイト制作の際、競合他社と差別化するためのポイントを解説しています。ぜひお読みください。

【関連記事】採用サイトに必要なコンテンツとは?成功事例とポイントを紹介

【STEP2】採用におけるターゲット・ペルソナの設定

採用サイトのメインターゲットを明確にしましょう。新卒採用サイトであれば、メインターゲットが学生になりますが、ターゲットをさらに明確にするために「ペルソナ」を作成しましょう。ペルソナとは、ターゲットをさらに詳細な人物像まで掘り下げたものです。

採用戦略の中であらかじめ職種やポジションによって、ターゲットやペルソナを設定している場合が多いかと思いますが、それだけでは不十分です。【STEP1】で定義した企業理念・大切にしている企業の価値観をもとに、求める人物像を策定し、ペルソナに含めましょう。

採用サイトでターゲットに設定するペルソナは、人事部だけではなく、採用に関わってくる全担当者と認識のすり合わせをすることも重要となります。最終面接を担当するであろう社長や役員とも、採用サイトにおけるペルソナの共通認識を持ってもらえるよう、事前に働きかけておきましょう。

ペルソナ作成の具体例は下記の通りとなります。

名前:山田 太郎

性別:男性

年齢:21歳

出身地:東京

学歴: 〇〇大学〇〇学部

サークル:フットサル

家族構成:3人家族(同居)

性格:社交的で人見知りはしない

趣味:週末に友だちとバーベキュー

企業に求めるもの:自分が成長できる環境、協同で業務にあたれること

採用サイトのメインターゲットやペルソナを設定できれば、コンセプト作りだけでなく、コンテンツ制作やデザイン制作においてもスムーズに進行ができます。

採用ペルソナがしっかり作られていたら、流用してもかまいません。

【関連記事】採用ペルソナとは?作り方やポイントを解説!

【STEP3】採用課題を洗い出す

採用サイトの企画立案時に現状分析として、課題の洗い出しをおこなっている場合は、その課題に対して仮説を立て、解決したいこととして明文化します。

  • 現状の採用サイトの課題
  • なぜその課題が発生するかの仮説
  • 課題をどう解決したいのか

現状の採用サイトに課題がない場合は、求職者にとって採用サイトで解決してもらいたいことを具体的にピックアップしてみてください。採用サイトで解決したいことが、採用サイトに求める役割となり、コンセプトの種となります。

下記記事では「求職者とのミスマッチ」が採用課題だった当社を事例に採用サイトで解決したいきさつをまとめています。あわせてお読みください。

【関連記事】採用サイトで「会社の魅力」を伝えるには?当社を事例にご紹介

【STEP4】コンセプトに落とし込む

最後はコンセプトに落とし込む作業です。

はじめに、採用サイトの目的を明文化します。多くの採用サイトにおいては「会社にマッチした人材の採用」が目的になりますが、この採用サイトの目的に対して、【STEP3】で明文化された採用課題をあわせてみてください。

「会社にマッチした人材」の定義として、会社の価値観(ビジョン)に共感してもらっている状態をイメージするとわかりやすいかと思います。採用課題と目的を掛けあわせることで、採用サイトのコンセプトが浮かび上がってきます。

  • 採用サイトのペルソナ、求める人材像
  • 採用サイトで解決したいこと(課題)
  • 採用サイトで達成したいこと(目的)

詳細は後述しますが、当社の2022年の採用サイトリニューアルでは以下のように整理しました。

採用サイトのメインターゲット 「第2新卒者」
「経営理念である「人とデジタルで“ありがとう”をつくる。」に共感できる人」
採用サイトで解決したいこと(課題) 「採用サイトが昨今の求職者ニーズを満たしきれていない」
「働き方」に関する情報が少ない
採用サイトで達成したいこと(目的) 「会社にマッチした人材の採用」

上記情報から、「第2新卒者のうち、経営理念に共感できる人からの応募を増やすために、“ありがとう”とは何かを考え共感できるコンテンツと働き方に関する情報を発信する」というコンセプトに落とし込みました。

決まったコンセプトから、キャッチコピーや具体的なメッセージはどうするかを決め、採用サイト制作を進めていきます。

【関連記事】採用サイトのキャッチコピー15選!作り方やコツも解説

採用サイトのコンセプト事例4選

コンセプトを策定する際の参考になるように、採用サイトのコンセプトの事例を紹介します。

コンセプト事例(1)採用課題・目的をもとにした採用サイト

まずは、当社の採用サイトのコンセプトをご紹介します。

採用サイトは時代や求職者ニーズ、企業の採用戦略によって定期的に見直しが必要となってきます。適切なタイミングは状況によってさまざまですが、今回は、2018年公開のサイトを2022年にリニューアルをしました。

株式会社ジーピーオンライン採用サイト

2018年にまったくの新規で採用サイトを構築した際に、設定したコンセプトは「全部出し!」です。求人媒体サイトでは伝えきれない、伝わりにくい組織の情報や社風を直接的に知ってもらうために、良いことも悪いことも全部掲載していました。

公開から1年以上経っていると、分析するための十分なデータが蓄積できています。2022年のリニューアルでは、蓄積されたデータを参考に当時の採用サイトの課題を洗い出し、解決策の立案と新しい採用サイトのコンセプト作りをおこないました。

課題と原因の仮説

採用サイトをさまざまな方向から見直し、以下のように課題と原因の仮説を立てました。

課題
  • 採用予定人数を下回っている
  • 早期退職が続いている
  • 応募者に偏りがある
  • 昨今の求職者ニーズを満たせていない
仮説
  • ポップなデザインが求職者に意図しない印象を与えている
  • 現状のデザインが応募者の偏りに起因している
  • 近年の求職者が求める「働き方」に関する情報が掲載されていない

改善内容とコンセプト立案

上述の課題と仮説に、採用サイトで達成したい目的を掛けあわせて、コンセプトの立案をおこないました。当社の経営理念である「人とデジタルで“ありがとう”をつくる。」に共感できる人がターゲットとなり、「ありがとう」とは何かを考え共感できるコンテンツ作りがコンセプトとなりました。

このコンセプトをもとに、各コンテンツを通じて会社の理念を理解してもらえる内容を掲載しました。特に工夫したコンテンツは、仕事内容から理念まで職種ごとに1ページだけで完結できるように工夫した募集要項と、Q&A方式をとった各社員のインタビューです。質問形式を活かして経営理念に関する内容を盛り込み、その問いに注目してもらえるデザイン表現に仕上げました。インタビューに盛り込むことで理念に触れる機会作りとスクリーニングを狙いました。

また、トップページを新卒採用と中途採用で分けたのも大きな変更点です。新卒は明るくフレッシュなデザインに、経験者はシックで落ち着きのあるデザインへと、ターゲットにあわせてページが切り替わる仕様に改修し、コンテンツ導線設計をそれぞれに最適化させました。ターゲット事に文章やコピーも大きく変えています。

このように、採用サイトのコンセプトが決まると、コンテンツ作りに軸ができます。

成功事例となった結果

上記リニューアルの結果、書類通過率が3.9倍に増加しました。書類通過率が上がったということは、自社にマッチした人材からの応募率が高いということです。時間をかけてコンセプト作りをおこなうことで、採用サイトの質が上がり、採用活動を良い方向に進めてくれました。

【関連記事】リニューアルが必要な採用サイトの特徴5選【進め方や方法についても解説】

コンセプト事例(2)理念を推す採用サイト

次に企業理念やミッションをコンセプトとして推している例です。

アイグッズ株式会社の採用サイトは、「あふれる愛で、想いをカタチに」というミッションをもとに構成されています。「いい仕事は、いいレシーブから。」というキャッチコピーとメインビジュアルで、お客さまの想いを受け取り、真摯に向き合う姿勢(ミッション)を伝えています。

アイグッズ株式会社新卒採用サイト

さらにプロジェクトストーリーで具体例を記載することで、ミッションがどのように実現されているかが示され、求職者に共感を与えるコンテンツになっています。また、失敗談もコンテンツとして出すことで、よりリアルな姿を伝えています。

理念やミッションの内容を軸に、写真やキャッチコピー、コンテンツが構成されている点で参考になるサイトです。

コンセプト事例(3)カルチャーを推す採用サイト

コンセプトとして、企業のカルチャーを推している例です。

株式会社unnameの採用サイトでは、会社のカルチャーについて詳細に情報を発信しています。社内の雰囲気を写真で伝えるだけではなく、大切にしている考え・行動指針を詳細に記載しており、「カルチャーブック」としてスライドにまとめている点が特徴です。

株式会社unname 採用サイト

また、求める人物像にマッチしそうな人だけではなく、マッチしない人を明記し、ミスマッチを防いでいます。そのうえでカルチャーにあったメンバーのインタビューを通じて、実際の価値観を伝えているため、より会社にマッチした人材からの応募につなげています。

コンセプト事例(4)人を推す採用サイト

ゆで太郎システムは「与えられるキャリアから、選べるキャリアへ」をコンセプトに、「あなたのうれしいがだれかのおいしいに」というキャッチコピーをおいて、働く人を推しだす採用サイトにしています。

ゆで太郎システム採用サイト

社員のインタビューを多く掲載し、その中で企業の良さ、特長、キャリアの具体的なイメージが伝わるコンテンツにしている点が特徴的です。

人を推す採用サイトにする場合、多様な求職者のニーズにこたえるためにも、さまざまなバックグラウンドがある社員を取り上げて多様性をアピールすることが大切です。また成長ストーリー・キャリアパスを共有することで、求職者に成長機会があることを伝えられ、興味を引かせられます。

採用サイトのコンセプトを考え、人を推しだす際に参考になるサイトです。

参考:「食べる場所」から「働く場所」へ。職場としての魅力を届ける採用サイトへリニューアル | ゆで太郎システム様

まとめ:独自のコンセプトを設計し、採用の質を向上させよう

採用サイトのコンセプト作りは難しく、時間を要しますが、採用サイトで採用成功させるためには時間をかけるべき大切なフローです。

本記事で紹介した採用サイトのコンセプト作りの手順は以下の4ステップです。

  1. 自社の強みの明確化
  2. ペルソナ設定
  3. 課題の洗い出し
  4. コンセプトへの落とし込み

良いコンセプトにするためのコツは、採用担当者さまご自身中心となって、自社をしっかり理解することです。ぜひ貴社ならではのコンセプト策定に挑戦して、採用サイトを運営しましょう。

ジーピーオンラインの採用サイト制作

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コンテンツ企画や社員インタビューなどの取材、ライティング、撮影はもちろん、ブランドコンセプト策定やAI チャットボットの導入、SNS運用代行、映像制作など幅広く承ります。採用サイトの重要な要素となる写真は、撮影のディレクションをアートディレクターが担当することも可能です。

など、これまで当社では多くの企業さまの採用サイトを制作してきました。

また、当社においても、オウンドメディアを活用した採用活動にシフトしました。採用力の強化を目的として「驚きでも感動でもなく“ありがとう”を。」をスローガンにリクルートサイトのリニューアルをおこなった結果、書類通過率約3.9倍を実現し、当社の求める人物像とマッチした応募者の割合が上がっています。

人材獲得競争が激化している現代、変化する求職者ニーズを正確に捉え、オウンドメディアでの最適な情報発信と求職者の共感醸成から求職者の母集団形成とマッチング精度の向上を支援します。

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この記事の著者
ふじ

WRITERふじ ディレクター

ホテル業界を経験後、2020年にジーピーオンラインに入社。ディレクターとしてコーポレート、製品・ブランドサイト、キャンペーンサイトなどさまざまなサイト制作に携わっています。

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