こんにちは、ジーピーオンライン(@gpol_tw)のくどうです!
「自社の魅力をどう求職者に伝えればいいのか」
採用競争が激化する今、多くの人事・採用担当者がこの問いに直面しています。
労働条件の提示や求人媒体への掲載だけでは、求職者の心は動きにくくなりました。求職者は、オンライン上で企業のカルチャーや価値観が合うかどうかをシビアに見ていることが多いです。
本記事では、企業のWebサイトを数多く手がけてきた制作会社の視点から、求職者の記憶に強烈に残る「面白い採用サイト」の制作戦略を解説します。独自のコンセプト設計から、成果を左右するデザインのポイントまで、明日から実践できる形でお伝えします。
コンセプト企画からデザイン・撮影まで一貫サポート
もくじ
「面白い採用サイト」が多く見られる理由
最近、インパクトのある面白いWebサイトを取り入れる企業をよく目にします。これは単なるウケ狙いではなく、競争の激しい採用市場を勝ち抜くための戦略的な仕掛けのひとつです。企業の採用サイトに面白さや個性が強く求められる理由は大きく分けて以下の2つです。
- 企業イメージを向上させ、応募への心理的ハードルを下げるため
- 自社のカルチャーを発信し、求職者の共感を得るため
企業イメージを向上させ、応募への心理的ハードルを下げるため
BtoB企業や専門技術を扱う業界は、求職者から「業務が難しそう」「堅苦しい」という先入観を持たれることが少なくありません。こうしたネガティブなイメージを払拭するために、ユーモアや遊び心のあるサイトデザインが有効です。親しみやすいイラストや楽しい仕掛けをトップページに多用することで、企業に対する第一印象が向上します。
結果としてエントリーボタンをクリックする際の心理的ハードルを大きく下げる効果が期待できます。情報があふれる現代において、直感的に「良さそう」と思わせるUI/UXの工夫は大きなアドバンテージです。
特に初めての就職活動で不安を抱える学生や業界未経験の転職者にとって、「自分らしく楽しく働けそう」と感じてもらえることは大きな安心材料になります。面白さは求職者の緊張を解きほぐすアイスブレイクとなり、面接など次のステップへ進む際の心理的なハードルも下げるでしょう。
自社の独自性を「面白さ」で表現し、価値観へ深く共感してもらうため
採用サイトに「面白さ」を取り入れることは、企業の社風や大切にしている価値観をリアルに伝えていく手段になります。単に給与や充実した福利厚生といった条件面を羅列するだけではなく、等身大の姿をユニークに発信することが重要です。
独自の社内制度や一風変わった社内イベントの様子などを積極的にアピールすることで、そこに価値を見いだす求職者が自然と引き寄せられ、企業の考え方に深く共感した人材からのエントリーが増加します。
自社のカラーにマッチした質の高い母集団の形成が、入社後のミスマッチを防ぎ、早期離職の防止にもつながります。「この仲間たちと一緒に働くのが楽しそう」と思ってもらうためにも、独自性のある情報発信が求められているのです。
面白い採用サイトの事例5選
ここからはユニークな採用サイトの事例を厳選して5社ご紹介します。Web制作会社のプロの視点で、それぞれのサイトがどのような採用課題を解決しているのかを解説します。
【事例1】アイグッズ株式会社
オリジナルグッズの企画・製造などを幅広くおこなうアイグッズ株式会社の採用サイトは、主に以下の3点が特徴的です。
- 特徴1:事業内容と一見無関係な「バレーボールのレシーブ」をする社員の写真で、視覚的なギャップを与えている
- 特徴2:「いい仕事は、いいレシーブから。」というコピーで、顧客の想いを受け止め真摯に向き合う企業姿勢を表現している
- 特徴3:リアルな失敗談などをあえて等身大で発信し、求職者の信頼獲得と入社後のミスマッチ防止につなげている
このように、インパクトのあるビジュアルで興味を惹きつけつつ、最終的には企業としての誠実なメッセージを届ける構成は、求職者の心を掴む採用サイトの優れた事例と言えるでしょう。
【事例2】日本情報産業株式会社(NII)
企業のITインフラを支える日本情報産業株式会社の採用サイトは、BtoBのIT企業に対する「難しそう」というイメージを払拭する、非常にポップで明るい世界観が最大の魅力です。つい触れたくなるインタラクティブな仕掛けや印象的な配色で、訪れたユーザーの探求心を自然と刺激します。
また、「そもそもITとは何か?」といった根本的な疑問を、専門用語を使わず図解や親しみやすい言葉で解説しているのも特徴です。文系学生や未経験者でも直感的に事業内容を理解でき、応募への心理的ハードルを大きく下げる工夫が随所にちりばめられています。
【事例3】株式会社木村鋳造所
フルモールド鋳造という高度な専門技術を提供する同社の採用サイトは、「遊び心を『かたち』にしよう。」をコンセプトにしたエンタメ感あふれる仕上がりが特徴です。ポップなデザインやキャラクター「チューゾーくん」を用いることで、難しく見えがちなBtoB製造業のイメージを親しみやすいものに変えています。
専門用語を並べた長い技術解説ではなく、ものづくりの楽しさや会社の柔軟なカルチャーを前面に出すことで、文系出身者や業界未経験者にも「ここなら楽しく挑戦できそう」という安心感と期待感を与える見事な設計となっています。
【事例4】ADKグループ
総合広告会社である同社のキャリア採用サイトは、社員の顔をあえてチケットで隠した斬新なビジュアルが特徴です。笑顔で安心感をアピールする王道の手法とは真逆のアプローチをとることで、訪れた人に強烈なインパクトを残しています。
この型破りなアートワークには、「外見や年齢などの属性ではなく、個人の純粋な才能や内面を評価する」という企業の強いメッセージが込められています。直接的なテキストの説明に頼らず、サイト全体の世界観で自由な社風や実力主義を体現した、他社との差別化が見事な事例です。
【事例5】株式会社ディンプス
ゲームやデジタルコンテンツの開発を手がける株式会社ディンプスの採用サイトは、高品質なアニメーションでユーザーを一瞬で世界観に引き込む仕掛けが最大の魅力です。主に以下の3点が特徴的です。
- 特徴1:マウスの動きやスクロールにあわせた背景の変化など、圧倒的な躍動感と細部へのこだわり
- 特徴2:「最先端の面白い仕事ができそう」というワクワク感を、ユーザー体験として直接提供
- 特徴3:サイト自体で自社の高い技術力を証明し、ハイスキルなクリエイターの知的好奇心を強く刺激
このように、事業内容とWebサイトの表現力を見事にマッチさせ、ターゲット層の心を確実に掴む戦略的なクリエイティブは、技術職を採用する上での非常に優れた設計と言えるでしょう。
面白い採用サイトを作るための3つのポイント
事例を見て、「自社でもユニークな採用サイトを作ってみたい!」と思った方も多いのではないでしょうか。ここでは、実際にアイデアを形にする際に押さえておきたいポイントを3つに絞ってご紹介します。社内で検討する際の参考にしてみてください。
- 軸となる採用コンセプトとキャッチコピーを設計する
- 使いやすさとビジュアル表現を両立させる
- 現場を巻き込み「生の声」を集める
軸となる採用コンセプトとキャッチコピーを設計する
採用サイトの根底に流れるメッセージが弱ければ、求職者の心には響きません。自社が求める人物像へ提供できる価値を、明確に言語化する必要があります。
強みや競合に対する優位性を徹底的に洗い出し、サイト全体の指針となる確固たるコンセプトを設計しましょう。経営層の思いだけでなく、現場で働く若手社員のリアルな声も積極的に取り入れることが大切です。
固まったコンセプトは、求職者の心に深く刺さる言葉へ翻訳します。「世界最先端の技術力」という企業主語ではなく、「あなたの好奇心がインフラを創る」といった求職者主語へ変換します。
「アットホームな職場」といったよく目にする言葉は避け、独自性のある言葉を選びましょう。ワンフレーズに凝縮されたキャッチコピーは、あらゆる採用活動の軸として機能します。
【関連記事】採用サイトのコンセプトとは?作り方と他社事例を紹介
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使いやすさとビジュアル表現を両立させる
ターゲット層がどのような順番で情報を求めているかを考え、魅力の伝わる導線設計が求められます。
動画の全画面表示や大胆なアニメーションは目を引く演出として人気ですが、多用するとサイトの表示速度が低下する恐れがあります。
募集要項や福利厚生のページへストレスなくたどり着けるよう、モバイルファーストなどのユーザビリティを最優先にしましょう。
労働環境などを具体的な数字で提示することは、求職者の不安を解消し信頼感を高める効果があります。単に数字を羅列するのではなく、ポップなイラストやグラフなどのインフォグラフィックへ変換しましょう。
ネガティブに捉えられがちな情報も、あえて透明性を高めて公開することで企業の誠実さを強くアピールできます。明確な裏付けとデザインの力が合わさることで、メッセージの説得力が格段に増します。
現場を巻き込み「生の声」を集める
採用サイトの主役はそこで働く社員です。人事部や経営陣だけで完結させるのではなく、各部署のエースや若手を巻き込んだプロジェクト体制を構築しましょう。
ターゲット層の年齢や価値観に最も近い、入社1〜3年目の若手社員の意見は非常に重要です。就職活動をしていた当時のリアルな感覚を取り入れることで、企画の軌道修正が可能になります。
自分たちでは当たり前だと思っていたことが、実は大きなアピールポイントになることも少なくありません。現場の生の声を集めることで思い込みを防ぎ、ターゲットに本当に刺さるサイトに仕上がります。
現場の社員を巻き込むことは、採用活動そのものへの関心を高める効果もあります。自分たちの声が反映されることで、社員のモチベーション向上にもつながるでしょう。
採用課題から考える!面白い採用サイトの作り方
魅力的な面白い採用サイトを企画・構築するうえで、ただ奇抜なアイデアを盛り込むだけでは採用成功には結びつきません。自社の採用課題に合わせて見せ方を戦略的に変え、目的に応じた適切な情報設計をおこなうことが何よりも重要です。
よくある課題へのアプローチについて解説します。
複雑な事業内容の理解を深めるコンテンツ設計
BtoB企業などに多い「事業内容が複雑で難解」という課題に対しては、分かりやすさに面白さを加えることが極めて重要です。どんなに素晴らしい技術を持っていても、説明が難しすぎると求職者は途中で離脱してしまいます。人間は「理解できないもの」に対して本能的に不安や警戒心を抱くからです。
そのため、テキスト情報だけでなく、エンタメ要素のフィルターを通すことで「まずは読んでみよう」と思わせる工夫が求められます。例えば以下のように、内容に応じて表現方法を変えてみましょう。
| 伝えたい内容 | おすすめの表現手法 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| 専門用語・業務フロー | RPG風の世界観・漫画形式 | 親しみやすさが生まれ、直感的に理解できる |
| 複雑なビジネスモデル | 図解アニメーション・短い動画 | 視覚的な動きが加わり、興味を惹きつける |
※内容に応じて、ユーザーにとってわかりやすい手法を選択しましょう。
難しい情報を楽しく噛み砕いて伝えることで求職者の理解が深まり、結果として志望度を高められます。専門性の高い業界こそ、求職者の目線に立った親切な情報設計が他社との大きな差を生み出します。
自社の「リアル」を伝えてミスマッチによる早期離職を防ぐ設計
「応募は来るがすぐに辞めてしまう」という早期離職の課題には、自社のリアルな姿やカルチャーを具体的に発信する手法が効果的です。ポジティブな面だけではなく、ネガティブな要素も包み隠さず伝えることで、カルチャーに共感できる層が自然と集まります。
求める人物像を詳細に記載すること、ネット上の口コミに企業が率直に答えるコンテンツを用意すること、適性が分かる診断コンテンツを取り入れることなどが有効な発信方法として挙げられます。
入社後のミスマッチを防ぐには、単に人を集めるだけでなく、長く活躍してくれる人材を見極める工夫が欠かせません。採用活動の初期段階で自社に合う人材からのエントリーが多ければ、面接官の負担軽減や選考プロセスの効率化につながるはずです。
【関連記事】共感型採用とは?理念共感型との違いや進め方を解説
当社では、選考プロセスの中でもミスマッチが起きないように「接点を増やす施策」をおこなっています。結果、直近2年間で入社した新卒社員8名は、1年未満の早期離職ゼロとなりました。以下の記事で、どのような施策をおこなったか解説していますので、ぜひご覧ください。
【関連記事】新卒の「思っていたのと違う」を減らす。入社前後に増やした3つの接点
まとめ:「面白い採用サイト」でミスマッチのない採用活動を
「面白い採用サイト」は、注目を集めるだけのツールではありません。自社のミッションやカルチャーといった目に見えない魅力を、デザインの力を通じて求職者に伝わりやすい形で届ける手段です。
採用市場は常に変化しており、求職者のニーズも多様化し続けています。表面的なトレンドに流されるのではなく、自社の本質的な魅力と真摯に向き合う姿勢が求められます。ぜひ、自社の採用サイト制作にあたって以下のポイントをチェックしてみてください。
- 「面白さ」を目的化せず、自社の価値観を伝える手段にしているか
- 表面的な奇抜さやトレンドに流されず、自社の本質的な魅力と向き合えているか
- 現場の生の声やリアルな感覚を取り入れ、求職者の共感とミスマッチ防止につなげているか
- 他社にはない、自社ならではのユニークなコンセプトを見つけられているか
今回ご紹介した事例を参考に、皆さまの企業ならではのユニークなコンセプトを見つけてみてください。企業の強みを表現した、オリジナリティのある採用サイトを作り上げることで、採用難の時代でもミスマッチの少ない採用活動を進められるはずです。
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WRITERくどう ディレクター
2025年に新卒としてジーピーオンラインに入社。入社後はディレクターとして採用サイト、キャンペーンサイト、コーポレートサイトなどさまざまなサイト制作に携わっています。
