こんにちは、ジーピーオンライン 広報のチカです!
採用活動において自社の採用サイトは必要不可欠なツールになりつつあります。採用サイト制作で仕上がりを左右するのが、コンセプト作りです。コンセプトを決めて制作すると、効果的かつ魅力的な採用サイトになります。
しかし、コンセプトについて考える上で以下のような課題が生じるかと思います。
- どのようにしてコンセプトを決めたらよいか分からない
- そもそも採用サイトのコンセプトって何?
- 他社はどんなコンセプトにしているのか知りたい
本記事では、採用サイトコンセプトの作り方や良いコンセプトにするためのコツについて解説しています。
コンセプト事例も紹介しているので、ご参考になりましたら幸いです。
もくじ
採用サイトのコンセプトとは
採用サイトのコンセプトとは、どんなターゲットに何をどんな風に発信するのかという方針のことです。
作成したコンセプトは採用サイト全体に適用され、キャッチコピーやデザイン、使用する写真を通して、一貫したメッセージをもたせていくのに使用されます。一貫したメッセージは、閲覧する求職者に届きやすくなります。
よって、採用サイトのコンセプト作りは、自社とマッチ度の高い母集団を形成し、求める人材を採用するための重要な採用戦略のひとつなのです。
採用サイトのコンセプトを作るメリット
採用サイトのコンセプトを作るメリットを3つ紹介します。
- マッチした人材を確保しやすくなる
- 一貫性のあるサイトになる
- コンテンツ作成がしやすくなる
マッチした人材を確保しやすくなる
コンセプトのある採用サイトは、求める人物像からの応募数増加が期待できます。
コンセプト作りの過程で求める人物像を必ず明確にするので、理想に近い求職者の興味を惹く採用サイト作りができます。そのことによって、求める人物像にマッチした求職者が採用サイトを閲覧した際に共感を呼び、応募の意志が高まることが期待されます。
企業側の価値観を明確に伝えることで、求職者にスクリーニングをおこなってもらえるため、自分の価値観と合っているかを自分自身で判断してもらえます。よって、企業に合った人材を確保しやすくなります。
一貫性のあるサイトになる
採用サイトのコンセプトが決まっていると、コンテンツごとに印象がぶれることなく統一感が出せます。
コンテンツが多くてもコンセプトを軸にしているので大きく迷うことがなく、万が一迷った際も、コンセプトが指針となっているので立ち返ることができます。方向性が明確な分、関係者間での意見が割れにくく、制作もスムーズに進めることができるでしょう。
コンテンツ制作がしやすくなる
採用サイトのコンセプトが決まっていると、サイト内に何が必要かイメージしやすくなるので、コンテンツ決めがしやすくなります。
例えば、「どんなライフステージでもその人らしく働ける」がコンセプトだとすると、「一日の流れ」で時差出勤でお子さんの送り迎えをしながら働いていることを伝えたり、「介護休暇制度」を利用して家族の介護と両立しながら働いている従業員もいることを伝えたりすると良いことが分かります。
このようにコンセプトが決まっていると、スムーズにコンテンツ制作を進めることができます。
採用サイトのコンセプトの作り方を3STEPで紹介
それでは、採用サイトのコンセプトの作り方を3STEPで紹介します。
下記手順に沿って進めてみましょう。
- 【STEP①】採用サイトのメインターゲットを明確にする
- 【STEP②】採用サイトで解決したいことを洗い出す
- 【STEP③】課題と目的を掛け合わせてコンセプトに落とし込む
【STEP①】採用サイトのメインターゲットを明確にする
まず、採用サイトのメインターゲットを明確にします。新卒採用サイトであれば、メインターゲットが学生になりますが、ターゲットを明確にするには「ペルソナ」を作成しましょう。ペルソナとは、ターゲットを更に詳細な人物像まで掘り下げたものです。
採用戦略の中であらかじめ職種やポジションによって採用のターゲットやペルソナを設定している場合が多いかと思いますが、それだけでは不十分です。
採用サイトでターゲットに設定するペルソナは、人事部だけではなく、採用に関わってくる全担当者と認識のすり合わせをすることが重要となります。最終面接を担当するであろう社長や役員とも、採用サイトにおけるペルソナの共通認識をもってもらえるよう、事前に働きかけておきましょう。
ペルソナ作成の具体例は下記の通りとなります。
名前:山田 太郎
性別:男性
年齢:21歳
出身地:東京
学歴: 〇〇大学〇〇学部
サークル:フットサル
家族構成:3人家族(同居)
性格:社交的で人見知りはしない
趣味:週末に友だちとバーベキュー
企業に求めるもの:自分が成長できる環境
採用サイトのメインターゲットやペルソナを設定できれば、コンセプト作りだけでなく、コンテンツ制作やデザイン制作においてもスムーズに進行が可能です。
【STEP②】採用サイトで解決したいことを洗い出す
採用サイトの企画立案時に現状分析として、課題の洗い出しをおこなっている場合は、その課題に対して仮説を立て解決したいこととして、明文化します。
- 採用サイトの課題
- なぜその課題が発生するかの仮説
- 課題をどう解決したいのか
現状の採用サイトに課題がない場合は、求職者にとって採用サイトで解決してもらいたいことを具体的にピックアップしてみてください。採用サイトで解決したいことが、採用サイトに求める役割となり、コンセプトの種となります。
【STEP③】課題と目的を掛け合わせてコンセプトに落とし込む
最後はコンセプトに落とし込む作業です。
はじめに、採用サイトの目的を明文化します。多くの採用サイトにおいて「会社にマッチした人材の採用」が目的になりますが、この採用サイトの目的にSTEP②の解決したいことで明文化された課題を組み合わせてみてください。
「会社にマッチした人材」の定義として、会社の価値観(ビジョン)に共感してもらっている状態をイメージすると分かりやすいかと思います。メインターゲットに向けて課題を目的と掛け合わせることで、採用サイト制作コンセプトが浮かび上がってきます。
- 採用サイトのメインターゲット
- 採用サイトで解決したいこと(課題)
- 採用サイトで達成したいこと(目的)
詳しくは後述しますが、当社の2022年の採用サイトリニューアルでは以下のように整理しました。
- 採用サイトのメインターゲット
「第2新卒者」 - 採用サイトで解決したこと(課題)
「採用サイトが昨今の求職者ニーズを満たしきれていない」 - 採用サイトで達成したいこと(目的)
「会社にマッチした人材の採用」 - 採用サイトのコンセプト
「“ありがとう”とは何か」
当社のミッションである「人とデジタルで“ありがとう”をつくる。」の価値観において、“ありがとう”とは何かを考え共感できるコンテンツづくり
良いコンセプトにするためのコツ
良い採用サイトのコンセプトを作るには、採用サイトのご担当者さま自身が自社のことを十分理解している必要があります。
改めて言語化しようとすると、実は曖昧にしか理解できていない部分が見つかるかもしれません。あるいは、社内らしさを感じる複数のエピソードから共通点が浮かび上がることもあるでしょう。そういったことを1つずつ深掘りしていくと良いコンセプトに近づいてきます。
採用戦略のひとつともいえる採用サイトのコンセプト作りは、とても大事な工程なので、Web制作会社とお客さまがワークショップをおこない、一緒にコンセプトを模索することもあります。採用サイトのコンセプト作りに迷った際は、ノウハウをもったWeb制作会社へ相談することで新しい気づきに出会えるかもしれません。
採用サイトコンセプト事例
では、採用サイトコンセプト事例を3社紹介します。
- 株式会社フェリシモ
- 株式会社白泉社
- 株式会社ジーピーオンライン
コンセプト事例①:株式会社フェリシモ
株式会社フェリシモは、自社企画した商品や国内外で仕入れた商品、サービスを独自のメディアで販売する会社です。ダイレクトマーケティング事業を展開する同社では、好きな気持ちや楽しい気持ちを追究する姿勢を大切にし、そんな社風に共感してくれる人材をターゲットに採用サイトのコンセプトを作っています。
2023年度の採用サイトのコンセプトは、「Digろう、フェリシモ」としており、楽しい気持ちを追究することを好きな音楽を探し出すこと(=Dig)になぞらえています。
採用サイト全体は音楽配信サービスのようなデザインに仕上げ、サイト内で「Digる」を体験できる仕掛けが施されています。トップページだけでなく、下層ページにおいてもCDジャケットや歌詞カードを意識したデザインになっており、一貫性があるのが特徴です。
URL:https://www.felissimo.co.jp/company/recruit2023/home/
コンセプト事例②:株式会社白泉社
株式会社白泉社は、雑誌や書籍、コミックスなどの出版やアプリの制作・運営などをおこなっている会社です。同社は、毎年、定期採用をおこなっており、年度毎に採用サイトを戦略的に制作されており、残されています。
2024年度の採用サイトは「推し」をキーワードに、社員それぞれが自身の「好き」を活かしながら愛情と情熱をもって働いていることを表現しています。「好き」を原動力に粘り強く取り組むことの大事さや、「好き」と周囲を巻き込む力との相乗効果、「好き」を仕事にする楽しさや喜びを表現しています。
アイドルや俳優など人に薦めたいほど好感のある人物のことを「推し」と表現することから、サイト内で、好きをとことん追究することで(=推すことで)仕事となったエピソードを社員紹介コンテンツを中心に発信しています。
URL:https://www.hakusensha.co.jp/recruit2024/
コンセプト事例③:株式会社ジーピーオンライン
最後に、当社の採用サイトのコンセプトをご紹介します。
採用サイトは時代や求職者ニーズ、企業の採用戦略によって定期的に見直しが必要となってきます。適切なタイミングは状況によってさまざまですが、今回は、2018年公開のサイトを2022年にリニューアルをしました。
2018年にまったくの新規で採用サイトを構築した際に、設定したコンセプトは「全部出し!」です。求人媒体サイトでは伝えきれない、伝わりにくい情報を直接的に知ってもらうために、良いことも悪いことも全部掲載していました。
公開から1年以上経っていると、分析するための十分なデータが蓄積できています。2022年のリニューアルでは、蓄積されたデータを参考に当時の採用サイトの課題を洗い出し、解決策の立案と新しい採用サイトのコンセプト作りをおこないました。
課題
採用サイトをさまざまな方向から見直し、以下のように課題と原因の仮説を立てました。
課題
・採用予定人数を下回っている
・早期退職が続いている
・応募者に偏りがある
・昨今の求職者ニーズを満たせていない
仮説
・ポップなデザインが求職者に意図しない印象を与えている
・現状のデザインが応募者の偏りに起因している
・近年の求職者が求める「働き方」に関する情報が掲載されていない
改善
上述の課題と仮説に、採用サイトで達成したい目的を掛け合わせて、コンセプトの立案をおこないました。当社の経営理念である「人とデジタルで“ありがとう”をつくる。」に共感できる人がターゲットとなり、「ありがとう」とは何かを考え共感できるコンテンツづくりがコンセプトとなりました。
このコンセプトをもとに、各コンテンツを通じて会社の理念を理解してもらえる内容を掲載しました。特に工夫したコンテンツは、仕事内容から理念まで職種ごとに1ページだけで完結できるように工夫した募集要項とQ&A方式をとった各社員のインタビューです。質問で経営理念に関する内容を盛り込み、その問いに注目してもらえるデザインに仕上げました。インタビューに盛り込むことで理念に触れる機会づくりとスクリーニングを狙いました。
また、トップページを新卒採用と中途採用で分けたのも大きな変更点です。新卒は明るくフレッシュなデザインに、経験者はシックで落ち着きのあるデザインへと、ターゲットに合わせてページが切り替わる仕様に改修し、コンテンツ導線設計をそれぞれに最適化させました。
このように、採用サイトのコンセプトが決まると、コンテンツ作りに軸ができます。
結果
上記リニューアルの結果、書類通過率が3.9倍に増加しました。書類通過率が上がったということは、自社にマッチした人材からの応募率が高いということです。時間をかけてコンセプト作りをおこなうことで、採用サイトの質が上がり、採用活動を良い方向に進めてくれました。
URL:https://www.gpol.co.jp/recruit/
【関連記事】リニューアルが必要な採用サイトの特徴5選【進め方や方法についても解説】
コンセプト作りは自社を知ることから
採用サイトのコンセプト作りは難しく、時間を要しますが、採用サイトで採用成功させるためには時間をかけるべき大切なフローです。採用サイトのコンセプト作りの手順は、まず、メインターゲットを明確にし、次に採用サイトで解決したいことを洗い出し、最後に課題と目的を掛け合わせて、コンセプトに落とし込みます。
良いコンセプトにするためのコツは、採用サイトのご担当者さまご自身が、自社をしっかり理解することです。採用サイトのコンセプト作りは自社をしっかり理解することから始まります。今一度、自社の理解を深めて、採用サイトを制作してみましょう。
ジーピーオンラインの採用サイト制作
採用ブランディングと採用マーケティングの視点から制作をおこなう、それがジーピーオンラインの採用サイト制作です。
コンテンツ企画や社員インタビューなどの取材、ライティング、撮影はもちろん、ブランドコンセプト策定やAI チャットボットの導入、SNS運用代行、映像制作など幅広く承ります。採用サイトの重要な要素となる写真は、撮影のディレクションをアートディレクターが担当することも可能です。
など、これまで当社ではたくさんの企業さまの採用サイトを制作してきました。
また、当社においても、オウンドメディアを活用した採用活動にシフトしました。採用力の強化を目的として「驚きでも感動でもなく“ありがとう”を。」をスローガンにリクルートサイトのリニューアルをおこなった結果、書類通過率約3.9倍を実現し、当社の求める人物像とマッチした応募者の割合が上がっています。
人材獲得競争が激化している現代、変化する求職者ニーズを正確に捉え、オウンドメディアでの最適な情報発信と求職者の共感醸成から求職者の母集団形成とマッチング精度の向上を支援します。
WRITERチカ 広報
リクルート代理店で求人広告の営業を経験したのち、2018年にジーピーオンライングループに入社。現在は、ジーピーオンラインの採用チームで新卒・中途採用を担当中。